− 第218回 −  筆者 中村 達


『地震対策のアウトドアギア』

 岩手・宮城内陸地震では、私の知人も被災し避難しなければならなくなった、とメールが入ってきた。このところ毎年のように大きな地震が発生している。昨年は能登半島、その前は新潟・・・。いまだ、避難生活を余儀なくされている人たちも多い。
 首都圏直下型地震がカウントダウンなどといわれているが、こう立て続けに大地震がおこるとリアリティがある。仕事柄、頻繁に東京に出かけているが、帰路新幹線に乗るたびに、今回は大丈夫だったと自答している。もっとも自宅に帰っても、日本はいずこも活断層の上で暮らしているようなものなので、安心とはいかない。
 自宅のある滋賀県の田舎では、地下鉄に乗車中に地震にあったらどうしたらいいのか。暗闇のなかでどうのようにして脱出すればいいのか、などという心配はない。地下鉄そのものがない。
 大規模な首都圏直下型地震が発生すれば、全ての交通機関は遮断されるだろうし、500km近く離れている自宅まで、どのようなルートで帰り着けばいいのか、ときどき頭の中でシミュレーションすることがある。

 基本的には、怪我さえなければ歩いて、ということになるのだろう。ルートは東海道か中仙道かいずれかになる。橋脚が破壊されていれば、どこかで渡渉することになる。ともかく首都圏周辺は大混乱だろうから、歩くしかないのではと想像する。途中で、何がしかの交通機関を利用できると仮定して、1週間あれば帰り着けるのではと思うのだが、うまくいくかどうか。中仙道の沿道には知人もたくさん住んでいるので、ともかく転がり込む。なんて勝手に考えている。

 その為には、出張であっても靴はウォーキングシューズで、バッグは担げるもの。担いで歩いても疲れにくいものを選ぶようにしている。ペットボトルにライト、簡単なファーストエイドキットは、常にバックの中に入れている。小型のナイフもあれば便利だが、いまどきのことだから小型の万能ツールで代用。それに、コンパクトなパーカーなどもと思うのだが、嵩張るので躊躇したままである。
 いやはやアウトドアへ出かけるのと同じだ。都市型サバイバルなんていう言葉は好きではないが、そんなことも考えなければならない昨今である。

(次回へつづく)


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■筆者紹介

中村 達(なかむら とおる)
1949年京都生まれ。アウトドアジャーナリスト。
NPO法人自然体験活動推進協議会理事、国際アウトドア専門学校顧問、NPO法人比良比叡自然学校常務理事、日本アウトドアジャーナリスト協会代表理事、東京アウトドアズフェスティバル総合プロデューサーなど。
生活に密着したネーチャーライフを提案している。著書に「アウトドアズマーケティングの歩き方」「アウトドアビジネスへの提言」「アウトドアズがライフスタイルになる日」など。『歩く』3部作(東映ビデオ)総監修。カラコルムラットクI、II峰登山隊に参加。日本山岳会会員。