![]() ![]() ![]() - 第214回 - 筆者 中村 達
『アウトドアのモノローグ レインウェアとパーカーのこと』 間もなく入梅である。雨の多い日本の山ではレインウェアは必需品だ。最近のものは、防水はもちろん透湿性能は当たり前になっている。ゴアテックス、エンテラント、ベルグテックなど様々な機能素材が開発され、進化し、性能は画期的に向上している。価格は1万円程度から3万円程度まで予算に応じて選べ、バリエーションも広くなった。一昔前までは、ビニール製のポンチョかゴム引きの雨具しかなかった。 レインウェアは、基本的にはいいものを選びたい。少々高くても一度買えば結構長く使える。私が持っているものの中では最長で20年近いものもある。性能もさほど落ちてはいないようだ。 これまでにいくつかのレインウェアを着用したが、機能素材が使われているものであれば、少々の風雨には価格の差は感じられなかった。むしろ、高価なレインウェアであっても、荷物を担いで歩いていると、汗で内部から濡れてきて下着がズブ濡れになったこともある。いくら高いレインウェアを着用しても、下着やウェアが透湿吸汗素材でなければ、長時間のアウトドアでは耐えられない。特に、登山での雨対策はトータルなコーディネートが必要だ。 ところで、山に出かける前にいつも悩むのが、レインウェアは持っていくもののパーカーをどうするかだ。パーカーは防風防寒目的だが、機能としてはレインウェアとダブルことになり、少しでも荷物を減らそうとすれば、結局パーカーは置いていくことになりがちだ。 ただ、レインウェアはどちらかというと機能が中心に考えられているのか、デザインがイマイチだと思う。防水性能からすれば、できるだけ余計なものは付けないというのが基本だろうが、いかにも「雨具」というデザインが多く、何とかならないものかと思う。 一方、パーカーは防水や透湿性能に関してはもうひとつで、帯に短かしである。パーカーをとるかレインウェアにするか、いつも悩むのだが、なかなかいい製品に出会えないでいる。カラーリングやデザインも含めて、もう一段メーカーのセンスに期待したいところだ。 少しはお洒落でないと、ますます若者たちの自然離れ、山離れがすすむように思うのだが・・・。 (次回へつづく)
■バックナンバー ■筆者紹介 中村 達(なかむら とおる) 1949年京都生まれ。アウトドアジャーナリスト。 NPO法人自然体験活動推進協議会理事、国際アウトドア専門学校顧問、NPO法人比良比叡自然学校常務理事、日本アウトドアジャーナリスト協会代表理事、東京アウトドアズフェスティバル総合プロデューサーなど。 生活に密着したネーチャーライフを提案している。著書に「アウトドアズマーケティングの歩き方」「アウトドアビジネスへの提言」「アウトドアズがライフスタイルになる日」など。『歩く』3部作(東映ビデオ)総監修。カラコルムラットクI、II峰登山隊に参加。日本山岳会会員。 |