- 第192回 -  筆者 中村 達


『外で遊ばない子どもと、怪しいオジサン』

 「笑っていいとも」というTV番組で、タモリ氏が子どもが外で遊んでいる姿を見なくなった。きっと家でTVゲームなどやっているのだろう、というようなことを言っていた。
 同感だ。公園でも子ども達の遊んでいる姿を見なくなった。せいぜい幼児が砂場で遊んでいて、それを母親が見守っているという光景を見る程度だ。少し前まで公園は子どもたちの走りまわる声が響きわたっていた。
 私の仕事場の近くに小学校がある。下校時ともなると、何人ものボランティアの人たちが横断歩道や曲がり角などに立って、子どもたちの安全に注意している。そのボランティアの数も多くなってきたように思う。児童が巻き込まれる犯罪や交通事故が相次ぎ、子どもたちの安全の確保が、大きな社会問題になってきた背景がそこにある。
 放課後、公園で遊んでいる子ども達の姿が見えなくなったのも、TVゲームだけでなく、犯罪から子ども達を守るために外では遊ばせない、という心理が母親に働いているのだろうか?

 仕事場から、車で5分のところに、総面積428haという広大な公園がある。公園内を歩いて一周すれば半日はかかる。それほど広い公園だから、保育園や幼稚園、それに小学校などの遠足の場所として利用されている。仕事に疲れると、時々この公園に歩きに行くのだが、一人で歩いていると怪しいオジサンになって、引率の先生や母親などから変な目で見られているような気がする。
 仕方がなく、近頃はカメラや双眼鏡をもって歩くようになった。自然観察をしているようなオジサンであれば、ほぼ怪しくないと映るのではないか。三脚などを担いでいると、なお怪しくない。私の思い込みかもしれないが、そんな感じである。

 公園の森の中を歩いていると、野鳥を見るのに双眼鏡だけでなく、フィールドスコープがほしくなってきた。いろいろ調べてみたのだが、それこそピンキリである。光学製品は高ければ高いほど性能がいいと思う。価格と性能はほぼ比例すると考えていい。しかし、実際に買うとなればそうはいかないので、野鳥の会に電話をしてたずねてみた。
 答は明瞭だった。有名メーカーであれば、まず、間違いがないということ。大事なのは接眼レンズの倍率で、20倍はほしい。それに直視型が使いやすいというアドバイスをいただいた。
 専門店にも聞いてみたのだが、返答はやや違っていた。K社、N社、S社などが最高で、他はいまひとつ、という感じだった。そりゃそうだろう、高いものを売りたいのに決まっている。質問する相手が間違っていたかもしれない。
 結局、ブログの書き込みの評価や光学性能などを参考にして、インターネットで手に入れた。怪しいオヤジに見られなくなるには、それなりに高くつく。

(次回へつづく)


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■筆者紹介

中村 達(なかむら とおる)
1949年京都生まれ。アウトドアコンセプター・ジャーナリスト。
NPO法人自然体験活動推進協議会理事、国際アウトドア専門学校顧問、NPO法人比良比叡自然学校常務理事、日本アウトドアジャーナリスト協会代表理事、東京アウトドアズフェスティバル総合プロデューサーなど。
生活に密着したネーチャーライフを提案している。著書に「アウトドアズマーケティングの歩き方」「アウトドアビジネスへの提言」「アウトドアズがライフスタイルになる日」など。『歩く』3部作(東映ビデオ)総監修。カラコルムラットクI、II峰登山隊に参加。日本山岳会会員。