- 第189回 -  筆者 中村 達


『オートキャンプは秋が人気』

 「オートキャンプ白書」の2007年版によると、キャンプの参加率が最も高い月は、9月で59.5%。ついで8月が54.2%、5月は40.2%だった。
 オートキャンプを含めたキャンプの参加率、つまり実施されている時期は、5月GWがもっとも多いと勝手に思い込んでいた。次が、夏休みのキャンプだろうと、想像していた。もちろん、データの取り方によって多少参加率は異なるが、少なくとも日本オートキャンプ協会のこの白書では、秋がもっとも参加率が高いというわけだ。
 このコラムでも、キャンプは秋が一番いい、などと書いたことがあったが、多くのキャンプファンはすでに秋のキャンプを楽しんでいるらしい。この季節にキャンプをする人が最も多いということは、この国のキャンプも成長したと言えるのだろう。
 秋のアウトドアは快適だ。天気さえ良ければ、気持ちのいいキャンプをすることが出来る。夜長、小さな焚火を囲んで至極の時を過ごすというのは、秋のキャンプならではと思う。

 秋のキャンプが人気ということの影響だろうか、ホームセンターなどでは、まだキャンプ用品がうず高く積まれている。その多くは相変わらずバーベキュー用品だが、ランプやスリーピングバック、折りたたみチェアー、テントなども一応ラインナップされている。ただ、これらの用品はやたら大きくて、全てを車に積めば、まるで家財道具運搬するような感じになってしまうのだろう。
 キャンプは出来る限りロウインパクトでありたいと思う。最小限の装備でキャンプを楽しむということを心がけたい。自然にはミニマムインパクトでありたいと思う。
 少し前のことだが、米国のアウトドア関係者に、日本はオートキャンプが人気だと言うと、「さすがハイテクの国だ。自動的にテントが立つのか!」と。皮肉られたことがあった。もっとも、オートキャンプというのは和製英語なのだ。

(次回へつづく)


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■筆者紹介

中村 達(なかむら とおる)
1949年京都生まれ。アウトドアコンセプター・ジャーナリスト。
NPO法人自然体験活動推進協議会理事、国際アウトドア専門学校顧問、NPO法人比良比叡自然学校常務理事、日本アウトドアジャーナリスト協会代表理事、東京アウトドアズフェスティバル総合プロデューサーなど。
生活に密着したネーチャーライフを提案している。著書に「アウトドアズマーケティングの歩き方」「アウトドアビジネスへの提言」「アウトドアズがライフスタイルになる日」など。『歩く』3部作(東映ビデオ)総監修。カラコルムラットクI、II峰登山隊に参加。日本山岳会会員。