- 第163回 -  著者 中村 達


『今シーズンのスキーは?』

 12月に入るとにわかにスキーの情報が流れてくる。特に、FMラジオをつけっぱなしにしていると、やたらスキー場の話題が多い。もっともいまのところ人工雪のスキー場だけが滑走可能などので、積雪に関する情報はない。全国の数あるスキー場は、全ての準備が整って、あとは雪頼みというところだろう。暖冬で雪が少ないのか、昨シーズンのように多すぎるのも困るのだが・・・。
 ところで、スキーが今年はどの程度売れるのか、興味深いデーターがある。06/07シーズンのスキー板の出荷台数、つまり輸入数と、国内メーカーの出荷数の合計だが、推測でおよそ44万台。これは昨年より1万台ほど多い。
 また、推定の期末在庫が約18万台。昨シーズンの持ち越し在庫が20万台ほどあるので、今シーズンは、40万台は売れるだろうという皮算用だ。この数字には、トップクラスの選手用のものからレンタルスキーまでが含まれている。
 これを多いと見るか、少ないと見るか。バブル景気の頃は、2百数十万台が出荷されていたことを思えば、市場規模は5分の1程度に縮小していることになる。もっともスノーボードが別にあるので、この数字の分だけ単純にスキー人口が減少しているとはいえないが、大幅に落ち込んでいるのは確かなところだ。

 一方で、スキー場は閉鎖や休業が相次いでいるが、その数は1割程度だろう。スキー板だけでスキーの市場規模を云々するのは早計だが、この数字を見る限り、スキー人口とスキー場の需給バランスは大きく崩れているのは間違いない。
 また、スキー人口の推計値でも、10歳代のスキー人口が最も少ない。正確に言えば、40歳、30歳、20歳と下降して、10歳代が底になっている。つまり若者たちのスキー離れが深刻で、この先、ますますスキー人口は減少していくように思える。
 スキーほど楽しく面白いものはないと、冬はスキーにはまり込んでいた私たちだが、雪遊びの面白さを伝えていくのがいかに難しいか、思い知らせられるシーズンの到来である。

(次回へつづく)


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■著者紹介

中村 達(なかむら とおる)
1949年京都生まれ。アウトドアプロデューサー・コンセプター。
通産省アウトドアライフデザイン研究会主査、同省アウトドアフェスタ実施検討委員、NPO法人自然体験活動推進協議会理事、国際アウトドア専門学校顧問などを歴任。東京アウトドアズフェスティバル総合プロデューサー。
生活に密着したネーチャーライフを提案している。著書に「アウトドアズマーケティングの歩き方」「アウトドアビジネスへの提言」「アウトドアズがライフスタイルになる日」など。『歩く』3部作(東映ビデオ)総監修。カラコルムラットクI、II峰登山隊に参加。