  
- 第150回 - 著者 中村 達
『カップヌードルとコンロ』
チキンラーメンはもちろんだが、カップヌードルはアウトドア、特に山でお世話になることが多い。カップヌードルは、容器がついているので余計な食器類を持っていく必要がなく、アウトドアではたいへん重宝する。
こと日本人の山登りや自然体験、あるいは冒険などのシーンで、チキンラーメンやカップヌードルがどれほど活躍したか、いや、貢献したか、枚挙にいとまがないことだろう。貢献度についてレポートされているかどうかは知らないが、例えばヒマラヤなどの海外登山隊の食料リストを見れば一目瞭然だ。必ずといっていいほど大量の即席麺が、リストアップされているはずだ。

また、いまではコンビニがどこにでもあるので、朝がいくら早くても困ることはない。おにぎりとカップヌードルを買えば、弁当をわざわざ作ってもらう必要はない。コンビニとカップ麺などのインスタント食品の発達で、特に女性、なかでも主婦たちがどれほど気楽に、山に行けるようになったか貢献度は計り知れない。
梅雨もようやく明けたので、この夏もスケジュールを調整して山登りに出かける予定だ。登山は準備段階からそれなりに楽しい。楽しいながらも、装備の選択にはいつも頭を悩ます。それがまた楽しい。最近は山小屋泊まりが多いので、荷物は少なくなったが、昼食や間食にカップヌードルやコーヒーなどの嗜好品は必ず持参する。そこで用意しなければならないのがコンロと鍋だ。コンロはほとんどといっていいほどガス(LPG、液化ブタン・液化プロパン)が使われている。昔のようにガソリンや灯油を使うものは少なくなった。
私もいくつか種類を持っているが、年々改良されていて高カロリー、省エネ、軽量小型化がトレンドだ。どのメーカーのものでも性能に大きな差はないと思うが、ガスボンベが入手しやすいメーカーのものを選択したい。また、一般論ではあるが、ガスコンロの良し悪しは価格に比例するようだ。つい先日、鍋と一体になったコンロを買った。この夏山で使ってみるつもりだ。かなりの省エネタイプなのだそうだ。
アルプスの稜線でカップヌードル。これは、お世辞抜きにうまい。そのあと景色を見ながら飲むコーヒーもいい。
(次回へつづく)
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■著者紹介
中村 達(なかむら とおる)
1949年京都生まれ。アウトドアプロデューサー・コンセプター。
通産省アウトドアライフデザイン研究会主査、同省アウトドアフェスタ実施検討委員などを歴任。東京アウトドアズフェスティバル総合プロデューサー。
生活に密着したネーチャーライフを提案している。著書に「アウトドアズマーケティングの歩き方」「アウトドアビジネスへの提言」「アウトドアズがライフスタイルになる日」など。『歩く』3部作(東映ビデオ)総監修。カラコルムラットクI、II峰登山隊に参加。
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