− 第146回 −  著者 中村 達


『指導者が足らない、インタープリターが不足』

 この時期、自然学校では指導者やリーダーが不足がちである。特に夏休みは絶対数が足らない事態に追い込まれているところもある。これは、大学の夏休みが8月からというところが増えたのが原因だ。もともとは、大学の前期試験は9月に入ってからというところが多かった。しかし、最近ではほとんどの大学が7月に前期試験を行い、夏休みは8月からとなった。学生は7月いっぱいまで試験に追われるので、野外活動にリーダーとして参加できにくい状況となった。つまり、小学校の夏休みと、大学のそれが一致しないため、7月の最盛期に臨時のリーダーであった大学生を当てにできなくなって、それが自然学校などでは大問題となっているようだ。安い労働力が不足してきたという皮肉な見方も出来るが・・・。ともかくリーダーが足らないようだ。

 私の関わっている自然学校も、インタープリテーションの需要にインタープリターの絶対数が足らないという事態が発生している。設立してわずか1年という自然学校に、夏の間だけでも何千人もの予約がある。ここは大学生ではなく、プロのあるいはセミプロのインタープリターの不足である。

 特に観光客などの大人を対象とするプログラムに需要が集中している。トレッキングやガイド登山、あるいは植物観察などに人気が集まっている。これらのインタープリターは、東京などの大都市で養成できるわけではなく、自然学校のある固有のフィールドでおこなわねば、インタープリテーションの意味はなさない。山の名前からはじまって、高山植物や野草などの植生などを解説するのが、インタープリターの中心的な仕事になる。もちろん、救急法やレスキュー、登山技術の基本などを取得しておくことは当然である。だから簡単には養成できず、少なくとも5年以上の実務経験が必要だ。
 07年問題からはじまって、今後はこの種のインタープリターの需要が、飛躍的に高まるものと私は考えている。しかし、この国にはこれらのインタープリターを養成する機関や、システムは皆無といっていい状態であり、その対策を考えなければならない時代になってきた。

(次回へつづく)


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■著者紹介

中村 達(なかむら とおる)
1949年京都生まれ。アウトドアプロデューサー・コンセプター。
通産省アウトドアライフデザイン研究会主査、同省アウトドアフェスタ実施検討委員などを歴任。東京アウトドアズフェスティバル総合プロデューサー。
生活に密着したネーチャーライフを提案している。著書に「アウトドアズマーケティングの歩き方」「アウトドアビジネスへの提言」「アウトドアズがライフスタイルになる日」など。『歩く』3部作(東映ビデオ)総監修。カラコルムラットクI、II峰登山隊に参加。