  
− 第110回 − 著者 中村 達
『浅間山麓国際自然学校』
いま、浅間山麓に設立される自然学校のお手伝い少ししている。
この自然学校は、地元の子どもたちへの自然体験の指導はもちろんだが、その地域を訪れる多くの観光客に自然をしっかり教える、いわゆるインタープリテーション(自然解説)をしようというものだ。このインタープリテーションによって、四季の自然を理解してもらい、親しんでいただき、観光客のリピート率を高めて、地域の活性化を促そうというのが大きな目的だ。
そこで、まず、この地域にとって自然学校の果たす役割とは何か、なぜ自然学校が必要なのかを、関心のある住民に知っていただくため、シンポジウムを地域毎に開催した。
シンポジウムには予想を超える、およそ300名もの方々に参加いただいた。そして、この参加のみなさんからインタープリターの希望者を募って、先日、第1回目の研修会が開催できた。
2日間行われた研修会には、約100名のインタープリター登録希望者が集まった。
研修会では、東京から専門家を講師に招いたほか、地元ですでにインタープリターのプロとして活躍している方々にも実際にフィールドに出て、指導していただいた。
この研修会に参加した人たちは、地元に住む主に中高年の方々だったが、みなさん大変熱心に研修を受けられていたのが、とても印象的だった。休憩時間にお話を聞いてみると、植物の専門的な知識を持っておられる人、すでにトレッキングなどを指導している方、写真や絵画を専門とする人たち、あるいは現職の教師など、スキルや高い知見を持つ方々が非常に多いのに驚いた。このような人たちが、子ども達や観光客の自然体験や野外活動の指導に、その能力を発揮するシステムが社会として出来上がれば、すばらしいのではないかと思う。
四季の移り変わりが美しく、多彩な自然をもつこの国だが、地域や山域によって植生や生態も大きく異なる。インタープリテーションは決して普遍的なものではないので、その地域を良く知る知恵者を、いかに子ども達やそこを訪れる人たちにマッチングさせていけばいいか、今回のスキームはそんな実証的意味合いを含んでいるのかもしれない。
(次回へつづく)
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■著者紹介
中村 達(なかむら とおる)
1949年京都生まれ。アウトドアプロデューサー・コンセプター。
通産省アウトドアライフデザイン研究会主査、同省アウトドアフェスタ実施検討委員などを歴任。東京アウトドアズフェスティバル総合プロデューサー。
生活に密着したネーチャーライフを提案している。著書に「アウトドアズマーケティングの歩き方」「アウトドアビジネスへの提言」「アウトドアズがライフスタイルになる日」など。『歩く』3部作(東映ビデオ)総監修。カラコルムラットクI、II峰登山隊に参加。
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