− 第66回 −  著者 中村 達


『山岳リゾート地におけるインタープリテーションシステム』

 私たちが主宰しているアウトドアズ産業教育研究会、というのがある。以前、このコラムでも紹介したと思う。この研究会が、経済産業省の支援をうけて、『山岳リゾート地におけるインタープリテーション』事業の調査研究を行なった。
 これは、長野県の白馬村を試行フィールドにして、自然体験活動やアウトドアズに高いスキルを持つ、高齢者や、女性を広く募集し、研修ののち登録し、その人材をインタープリテーションというかたちで、活用しようというものである。これによって、雇用機会を少しでも創出し、地域の活性化とともに、訪れる観光客や自然愛好家に、良質なサービスが提供できればと計画した。http://www.hakubameister.jp/

 白馬村村内でのインタープリターは、今回約100名をデータベース化したが、60歳以上の高齢者や、女性のインタープリターが3割にもなった。また、インタープリテーションの科目は、アウトドアアクティビティから、カルチャー系のパッチワークやアロマテラピーまで、予想以上の広範囲となった。
 インタープリターをどう定義するかは、いろいろ論議があるが、ともかく今回は、その意志ある人たちを登録した。もちろんこれらのインタープリターの多くは、プロかセミプロの人たちではあった。
 今回制作したインタープリターのウェブデータベースによって、一般観光客、登山者、トレッカー、学校、旅行業者などが目的にあったインタープリターや、種目・項目を選び、より豊なアウトドアアクティビティや、自然体験をおこなっていただければと願っている。

 このシステムが稼動して、およそ1ヶ月半が経過したが、予想以上の反応に、実は驚いている。この間、連日2,000以上のアクセス(検索数含む)で、1ヶ月で約6万件もあった。そして、具体的にはスノーシューイングや山岳スキーの指導要請、さらに、学校の学習旅行の参考にしたい、ゼミ旅行でのインタープリターを依頼したいなど、数多くの要望が寄せられている。
 観光立国といわれているが、現実的には人材の育成と活用の部分が課題である。今回の試行でみる限り、インタープリターやガイドなどへの要望が、きわめて高いことがわかった。

 このシステムは、基本的には無償で提供する予定で、すでに様々な団体や自治体などからも、問い合わせが来ている。このシステムが各地で動き出し、それがネットワークとなって波及すれば、全国的なデータベースとなるのでは、などと空想しているのだ。

(次回へつづく)


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■著者紹介

中村 達(なかむら とおる)
1949年京都生まれ。アウトドアプロデューサー・コンセプター。
通産省アウトドアライフデザイン研究会主査、同省アウトドアフェスタ実施検討委員などを歴任。東京アウトドアズフェスティバル総合プロデューサー。
生活に密着したネーチャーライフを提案している。著書に「アウトドアズマーケティングの歩き方」「アウトドアビジネスへの提言」「アウトドアズがライフスタイルになる日」など。『歩く』3部作(東映ビデオ)総監修。カラコルムラットクI、II峰登山隊に参加。