著者 中西 俊三


 いよいよ、夏山のシーズンです。夏休みに山登りや、トレッキングを計画されている方も多いことでしょう。そこで、さわやかな夏山の空気を味わい、地球を感じるための道具の選び方をお教えします。

1 山靴(トレッキングシューズ・登山靴などともいいます)
 安全に楽しく登降するための、一番たいせつな道具です。皮、布、複合素材のものなど、いろいろなものがありますが、まず、足首を保護するため、くるぶしを覆う長さのものを選んでください。
 次に大切なことは、何より足に合うかどうか、厚めのソックスを履き、かかとと靴の間に指が1本または、2本程度入るものが良いでしょう。下りのときに足先があたるとつらいものです。
 また、幅も大切な要素の一つです。特に、どこかでっぱっている人は要注意。足の幅に合った靴を選ぶことが大切ですが、出ているところを広げる方法もあるので、専門店などのスタッフと相談してください。

2 ザック(リュックサック・パックなどともいいます)
 登山やトレッキングに必要な装備を入れて、一日中あるいは数日間、かついで歩く大切な道具の一つです。必要最小限のものを入れても、少し余裕のあるものを選んでください。
 また、かついでみて、背中の長さとザックの裏側の長さがしっくりくるもの(長さが合っているもの)。背負いバンド(ショルダーストラップ)が肩幅に合っていて肩に食い込まないもの。ウェストバンドとヒップベルトとがついてあるものなどを選んでください。夏用のものとして、背中の風通しが良くなっているものなどもあります。
 大きさ、つまり容量はリットル表示されています。通常、日帰りのハイキング程度であれば、30L以内、1~2泊の山小屋泊まりであれば、30L~40Lを目安にしてください。

3 雨具(レインウェア)
 楽しい夏山登山に安全をプラスする、切り札的な道具の一つです。雨に降られればもちろんのこと、風や寒さにも対応できるパーカーとしての役割も果たす必需品です。
 上衣・パンツのセパレートのものが主流です。上下とも必ず試着して選んでください。パンツの長さは、ひざを曲げてみて、足首が出ない程度、ヒップ周りに少し余裕のあるものを。上衣は両手を広げても、ウェスト部分が隠れるくらいの長さと、着用後、脇をつかんでみて握れるくらいの幅が必要です。
 防水性に優れていることはもちろんですが、蒸れにくくするため、透湿性のある素材が使われた製品が数多くあります。価格は少し高めですが、大変優れていて、長く使っていただけると思いますので、一考してください。
 パンツは山靴のまま着脱ができるようになっていますが、山靴の上からコンビニなどのポリ袋をかぶせてはいてみてください。スムーズに、そしてパンツの内側を汚さずに、はくことができます。
 なお、透湿性のある雨具も、吸汗性のあるアンダーウェアを着用しないと効果はありません。この点も注意してください。

(参考)登山のための装備チェックリスト

あるむ巡礼倶楽部 標準装備リスト(以下標準と考えてください)
装備名 チェック欄 備考
長袖シャツ                
Tシャツ                
ズボン               必要に応じて
着替え                
ソックス                
防寒具                
帽子                
登山靴                
ザック                
ナイフ                
コンパス                
地図                
時計                
筆記用具                
水筒                
雨具                
ヘッドライト               換え球付
予備電池                
カップ                
ライター               マッチ可
タオル                
               
常備薬                
非常食                
健康保険証               コピー可
ファーストエイドキット                



■著者紹介

中西 俊三(なかにし しゅんぞう)
1948年生まれ。
30年にわたり、登山・アウトドアショップの経営に携わる。滋賀県大津市で登山・アウトドア専門店「あるむ」を経営。趣味は登山。大津山岳会会員。日本山岳会会員。あるむ山岳巡礼倶楽部主宰。
Outdoor Pro Shop『あるむ』 滋賀県大津市晴嵐1丁目11-1 TEL077-531-0880