林野庁の施策より


 世界有数の森林国といわれている日本。その国土面積の約7割は森林です。
 森林は、木材などの生産のほかに、渇水や洪水を緩和し良質な水を育む水源かん養機能、山地災害の防止機能、二酸化炭素の吸収・貯蔵や騒音防止などの生活環境保全機能、レクリエーションの場の提供・教育の場の提供・野生鳥獣の生息の場など多面的な機能を持っています。

 このように、国民の生活に密接に関係している我が国の森林のうち、約3割を占めているのが国有林です。
 国有林は、地形の急峻な奥地の山々や河川の源流に分布し、貴重な野生動植物が生息・生育する森林や原生的な天然林のほか、四季折々の自然を楽しめる森林、憩いや学びの場として利用できる森林など多種多様な森林が全国に配置されています。

 例えば、余暇時間の拡大や心の豊かさを求める国民の皆様の多様な要請に応えるため、全国の国有林の中から美しい森林や山岳、渓谷、湖沼などの景勝地や野外スポーツに適した森林等の多様な活動ができる場を全国で1,263箇所選定し「レクリエーションの森」(表-1)として、広く国民のみなさんに提供しています。
 また、家族が森林の中に滞在し、マイ・フォレストとして自然とふれあいながら自由な時間を過ごす場となる「ファミリー・フォレスト・ガーデン(FFG)」や民間活力を活用した自然とのふれあいの場及び保健休養の場等の総合的整備を目的とした「ヒューマン・グリーン・プラン」また、森林を利用して行う体験学習(「森林教室」)など自然とのふれあいの場を提供しています。

 さらに、「森林づくりに参加したい」「森林とふれあいたい」「森林の豊かさを理解したい」という方々の声に応えるため「ふれあいの森」として、ボランティア団体等の皆さんに提供し、森林作業体験や様々なアイディアを活かして、森林づくり活動や親林活動(森林に親しむ活動)を楽しむ場として提供しています。
 このほか、全国の国有林の中から巨樹巨木を「森林の巨人たち百選」として選定し、地元自治体やボランティアの方々による保全活動が行われています。分収林制度を活動して「学校林」を設定している学校等もあります。
 このように、全国に広く分布して多種多様な森林からなる国有林は、憩いの場、学びの場として適した場所といえます。多くの方々が訪れることを期待しています。

表-1 レクリエーションの森の整備状況と利用者数 ファミリーフォレストガーデン
区 分 箇所数 面 積
[千ha]
利用者数
[百万人]
自然休養林 91 104 27
自然観察教育林 172 35 19
風 景 林 571 187 48
森林スポーツ林 73 10 2
野外スポーツ林 237 53 40
風致探勝林 119 21 21
合   計 1,263 411 157


■関連情報
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