~川ガキ大将復活プロジェクト~ 亀岡市教育委員会 山内 俊房


平成14年4月・・・
京都府亀岡市に未来を担う子どもたちの自然体験活動を支援するため「地球環境子ども村」が誕生しました。


 ~地球環境子ども村は子どもたちといっしょに自然の中でいきいきと活動しています~

私たちの取り組みをご紹介します。
 地球環境子ども村は、今世紀最大の課題とされている地球環境問題解決のため、次代を担う子どもたちに豊かな自然体験や生活体験の機会を提供し、自然や命の大切さを実感することにより、環境問題を真剣に受けとめることのできる人づくりを目指しています。

 村の事業は、平成14年4月からスタートし、現在は次のような取り組みを積極的に展開中です。

1 自然体験教室・・・
 地元の豊かな自然環境をフィールドに子どもから大人まで楽しめる自然体験活動を行っています。川の美しさを感じたり、森の素晴らしさを体験したりみんなと元気いっぱい活動をしています。
2 自然活動キッズクラブ・・・
 小学校4年生から中学校3年生までの子どもたちだけでクラブを結成し、自然と向き合い共存できる力を身につけられるようにみんなでがんばっています。
3 こめこめこらぶ・・・
 米作りを通して人と協力すること、自分たちで作物を育て収穫する楽しみを学び、日常では味わえない自然のおもしろさ、素晴らしさを体験しています。
4 地域との連携事業・・・
 自治会や子ども会などと連携して、自然観察や野外活動を楽しみ環境に対する「きっかけ作り」を提供する活動プログラムを展開しています。
5 教育機関等との連携事業・・・
 子どもたちの環境への興味、関心を高めるため、小中学校や幼稚園、保育所と協力し、「総合的な学習の時間」課外活動の時間を使った自然体験学習などを行っています。
6 子ども環境会議・・・
 環境問題に関心のある子どもたちが集い、自分たちの自主的な環境活動を発表し合い、お互いの活動を知り合うとともに人的、交流を図っています。

そして今年の夏は、保津川(桂川)流域で川ガキ大将復活プロジェクトを実施しました。これは亀岡に自然体験を定着させることを目的としたイベントです。
子どもたちの反響は予想以上で結果は大成功でした!
その概要をご報告します。

川に子どもを近づけよう
 今の子どもたちは、川で遊ばないし、遊べなくなっています。どうしてでしょう?
 それは、川が汚されていたり、垂直のコンクリート壁で降りられなくなっていたり、親や学校が子どもたちだけで川へ行くことを危険だからと禁止していることが原因の一つと考えられます。
 ですが、私たち大人が子どもの時代は「川」は泳いだり魚とりができる最高の遊び場でした。そして川や生き物からたくさんのことを教わったのではないでしょうか?
 今の子どもたちに足りない何か・・・その答えが川にあるのかも知れません。
 そこでこの夏、亀岡市地球環境子ども村では、今の子どもたちに川の持つ魅力を体で感じ、川の素晴らしさ、大切さを考えてもらおうという目的で「川ガキ大将復活プロジェクト」を開催しました。

この活動の記録を紹介いたします。

○この川で何ができるか?だれが魅力を教えるのか?
 場所は、亀岡を貫流する保津川(保津川下りでおなじみの川です。)で時期は夏休みと決定したまではよかったですが、誰が何を指導するのかで第一関門に突き当たりました。

○川の達人を探せ!
 そうだ、川でいつも遊んで楽しんでいる大人を探そう。そしてその人たちに「川の達人」になってもらい、自分ばかり遊んでないでたまには子どもにもその楽しさを教えてあげてほしいという願いをもって様々な人々に依頼にまわりました。

○集まった達人たち
 こうして地球環境子ども村の呼びかけに応じていただいた達人により、多くのプログラム(後に掲載しています。)が保津川水系で同時に実施されることになったのです。(いや~疲れたけど、みんな快い返事をしていただきました。ありがとうございました。)

○対象者をどうするか?
 達人と協議し、対象は安全性を考慮して、小学校4年生以上が体験できるプログラムと、誰でも体験できるプログラムに分けることとしました。そして障害児にも川の魅力を体験できるよう検討を重ねました。川が楽しいのは誰でもいっしょですから・・・

○ボランティアスタッフ150名に達する。
 達人や各プログラムに関わる人たちに、口コミやホームページなどで参加を募り、この趣旨に賛同いただきたいと言った呼びかけに、約150名のボランティアスタッフが名乗りをあげていただき、このプロジェクトへの反響の高さが伺えるとともに、成功の目処が立ったことを喜びました。

○参加者は1,000人以上でプロジェクトは大成功!
 天候不順に泣かされ一部中止や、場所の変更を余儀なくされたプログラムもありましたが、参加した子どもたちは、全員最高の笑顔で家へと帰ってくれました。体験後に記入してもらったアンケート用紙には、「めちゃめちゃ楽しかった」「来年も絶対やってほしい」「これからは川を大切にします」などなど、感激を表す言葉で埋め尽くされていました。

○2年後に「全国川ガキ大将サミット」を目指す。
 こうした川に、子どもたちを呼び戻す活動は近年、各地で高まりつつあります。そのため、亀岡市では全国の川と子どもの体験に関心のある団体に呼びかけ、お互いの状況を報告し、また、関心のある人たちと議論しながら、さらに自然体験活動を盛り上げていこうと予定しています。そのため、来年は今年の反省点を十分踏まえ、より内容の充実した川ガキ大将復活プロジェクトにしようと、今から構想中であります。


○実施したプログラムの紹介
 保津川流域で、この日どんなことが行われたのか紹介します。

A 事前募集型(156人規模 うち健常者136人・障害者延べ20人)
 プログラムが専門的であり、達人を中心に確実な指導体制により行いました。
 対象年齢(小学4年生~中学3年生)

(1)川の流れのように
 ゴムボートに乗ったりライフジャケット(浮き具)をつけて川を流れ水中観察を実施しました。
(2)カヌーに挑戦!
 カヌーを自分で漕いで川探検や周囲の環境を観察しました。
(3)川漁師入門
 魚とり名人たちと大きな網を使って魚をとり、今の川の状況を確認の予定でした。(残念ながら増水で中止となりました)
(4)シャワークライミング
 谷川の冷たい水を全身で浴びながら沢登りをする。困難な場所での協力の大切さと本来の水の美しさを知った。 (東本梅町音羽川)


B 当日参加型(約1,000人参加)
 当日参加型は、本部会場の河原で実施したものであり、水に関連した遊び要素の高いプログラムが中心で、ほとんどに対象年齢は設定せず、親子で楽しめる内容としました。

(1)どんぶらこっこ・・・ライフジャケットを身につけてミニ川流れを体験
(2)ウォーターガンサバイバルin保津川・・・2チームに分かれて頭の紙のマトと基地のマトを水鉄砲で攻撃する生き残りゲーム
(3)スーパーわたる君~君は忍者になれるか!~・・・水面に浮かんだ様々なアスレチック(浮島や縄橋わたりなど)にチャレンジ
(4)カスタムシップレース・・・きまった材料で小舟クラフトに挑戦。そのあとレースで競った。
(5)わたる君ジュニア・・・常設でいつでもチャレンジできるコーナーを設定
(6)竹の水鉄砲・・・竹を使って水鉄砲を作った。
(7)ストーンペインティン・・・好きな石を探して自分だけの素敵な置物作り
(8)ゴリをとろう!・・・・地元の人とゴリという魚とりに挑戦した。

 日頃から「川ガキ」を推奨されている、小学館BE-PALに参加協力を求め、同プロジェクトを盛り上げていただきました。

小学館BE-PAL 「魚とり教室」・「雑魚すくい」
タイトル内容定員対象
BE-PAL雑魚党 「魚とり教室」
丹波淡水魚研究会と合同で支流で魚とり教室を開催
自由参加
約200名 誰でもOK
BE-PAL雑魚党 「雑魚すくい」
金魚すくいの道具で小魚すくいに挑戦!
約200名 誰でもOK


以上が主な取組です。
 地球環境子ども村はまだ始まったばかりですが、これからも自然体験活動を中心とした様々なプログラムを展開し、環境保全や命の大切さを、子どもたちに伝えていきますのでご興味のある方は、ぜひご連絡いただき情報交換などを、させていただきたいと思っています。

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亀岡市地球環境子ども村 山内俊房
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