著者 高橋 博


今のオートキャンプ
 わが国でオートキャンプが欧米並みに定着して、15年になろうとしています。車を利用した新しいファミリーレジャーともてはやされたオートキャンプも、1,200ヶ所以上のオートキャンプ場を数えるようになり、すっかり定着しました。
 今年のGW連休も多くのキャンプ場が、すでに満杯になっています。

 当初、車を利用して全ての道具を持ち込んで楽しめる安上がりレジャーとして人気を集めましたが、最近は少し変化が見えるようです。大きくは3つに分かれます。
1)本来の自然体験キャンプを楽しみたい人たち
2)自前の道具満載で、便利な屋外宿泊(テント)を楽しむ人たち
3)もっと便利な道具(キャンピングカー、ロッジ・コテージ)を利用して、アウトドアなフィーリングを楽しむ人たち
 自分はどんなキャンプを楽しもうとしているのかをちょっと考えて、それにあったキャンプ場を選ぶ必要があります。オートキャンプには様々な人が様々な考えで行って来た為、キャンプ場などにも設備で混乱したままのところがあり、折角オートキャンプに出かけたのに、楽しく無かったと言う声を聞きます。

自分のキャンプにあったキャンプ場選び
1)本来の自然体験キャンプを楽しみたい人たち
自然体験や自然環境を売り物にしているキャンプ場は、かなりあります。でも、キャンプ場自身がそのことを知っているのか疑わしいところもあります。こういった自然体験キャンプは経験と自身があれば、キャンプ場でやらなくても良いのですが、ファミリーでやることを考えた場合、安全性などの面からキャンプ場でやるのが良いでしょう。
 キャンプ場ガイドで比較的料金の「安め」のところを選び、設備重視ではなく自然を売り物にしているようなところです。でも「安め」のところも2種類があり、
a)環境(単なる広場)や設備が貧弱(ただの広場にトイレ水場を設置しただけ)のため、料金を安くしている。
b)自然環境は良いが、設備が貧弱のため料金を安くしている。あるいは、公共施設のため料金が安い。
 前述の(b)のようなキャンプ場を選び、設備に頼るのではない自然体験本来のキャンプを楽しみましょう。きっと素晴らしい思い出を、ファミリーや仲間にもたらしてくれるでしょう。
2)自前の道具満載で、便利な屋外宿泊(テント)を楽しむ人たち
 今主流のオートキャンプです。この場合、出来るだけ設備が整ったキャンプ場を選びましょう。水洗トイレや水場にお湯が出るのは、ほとんどのキャンプ場が設置しています。
ことさらキャンプだということを強調して不便を強いると、不愉快感だけが印象に残ります。
 こんなに便利では?と言う声は良く聞きますが、自分たちの日常生活を「持ち込む」わけですから、便利な方がいいでしょう。
 でもあまり便利さに頼ると、道具ばかりが増えて動くのが大変でイヤになってしまいます。そうにならないように気をつけて下さい。
3)もっと便利な道具(キャンピングカー、ロッジ・コテージ)を利用して、アウトドアなフィーリングを楽しむ人たち
 最近はこのタイプの人たちが増えてきています。キャンピングカーの利用も増えてきていますが、キャンプ場にある建物(ロッジ・コテージ・トレーラーハウス)を利用して日常から離れたアウトドアな時を過ごす人たちです。
 従来はキャンプビギナーが、こういった宿泊設備を第一ステップとして利用していたのですが、今ではロッジ・トレーラーハウスでキャンプをすると言う形に変わってきています。テントとは違い、季節や天候に左右されること無く年中楽しめます。このため、多くのキャンプ場が宿泊施設の増設を希望しています。

GW直前情報
GW後半(5月3・4・5日)
 今年のGWは、最悪と言ってよいもので、キャンプにとっては5月の3・4・5日だけの3連休しかないのが実情です。ですから多くのキャンプ場では、3・4日のみにキャンパーが集中しています。人気のあるキャンプ場では、今から予約するのは難しいです。
 どうしても行きたい場合は、前々日や前日にキャンセルがどこのキャンプ場も出るので、それを狙う方法があります。
 また、天候(天気予報)が怪しい時は多くのキャンセルが出ます。例年GWすべて晴れということはめったにありません。ですから、天気が悪い予報でも必ず良い日もありますから、出かけてもいいのではないでしょうか?でも、全く静かになる雨のキャンプ場も楽しいものですよ。
 一方、例年GWでも埋まらないキャンプ場もかなりあります。インターネットなどで混雑状況を調べてみてください。

GW前半(4月26~29日)
 ALS-netキャンプ場予約状況でも、前半全て埋まっているキャンプ場はありません。ですから前半26~29日は、ほとんどのところが大丈夫です。しかし、わが国のファミリー中心のキャンプでは、どうしても28日に学校があるため、出かけるのは難しいのでしょう。思い切って授業を「自然学習」に切り替えてみてはどうでしょう?
 我が家はGWの授業は「自然体験」となっていました。学校にもはっきりそういう理由で休みます、と言うと、ほとんどの先生が理解を示してくれました。親が学校を休ませて子供に体験させる、あるいは、子供たちと一緒に「遊ぶ」と言うのはそれなりに価値のあることだと思いますが・・。

 土曜日も入れると、今年の3連休は7回もあります。無理してGWに出かけなくてもいいような気もしますが、いかがでしょうか?

オートキャンプ場の探し方
 すでにいくつかのキャンプ場ガイドブック本年度版が出ています。多くの方々は、これを利用するでしょう。でも、写真が小さかったり、データーだけでは良く分からないもが現状です。今キャンプ場選びで最も利用されるのが、インターネットです。このためオートキャンプ場でも、多くがホームページを開いています。逆に、ホームページを開設しているキャンプ場は、顧客対応に積極的ともいえます。インターネット上で予約が出来るところも出てきました。ある大手オートキャンプ場のインターネット予約率は、60%を越えていて、本年は70~80%になるのではないかと言っています。

オートキャンプのために役立つホームページ
ALS-net(オートキャンプ場予約状況やキャンプ場イベント・メッセージ掲載他)
 http://www.als-net.com/
campjo.com(キャンプ場予約情報)
 http://www.campjo.com/
日本オート・キャンプ協会
 http://www.autocamp.or.jp/autocamp/
アウトドアマップル キャンプ場検索
 http://www.mapple.net/outdoor/camp/index.asp
北海道オートリゾートネットワーク
 http://www.auto-net.or.jp/
道しるべ
 http://www.ne.jp/asahi/mitisirube/s.m/top.index.html
四国オートリゾートネットワーク
 http://www.autoresort.net/ac/autoreso.htm
ACNオートキャンプ場ネットワーク
 http://www.acncamp.gr.jp/


■著者紹介

高橋 博(たかはし ひろし)
(株)アウトドア ジャパン代表取締役、オートキャンプ総合情報サイト「アルスネット」企画運営、(社)日本オート・キャンプ協会前専務理事・事務局長、インターナショナルキャンピング&RVショー 総合プロデューサー、ザ キャンピング&キャラバニング クラブ会長
著書に「これが正しいオートキャンプ」(1997年 報知新聞社)など。テレビでは、NHK BS 「オートキャンプ」、NHK「おはよう日本、アウトドア特集」、テレビ朝日「プレステージ」オートキャンプ特集、フジテレビ「話題にアタック」自然大好き!クルマ家族、テレビ東京「地球まるかじり」など出演多数。
また、「オートキャンプ場汚水調査」調査委員長(運輸省)、「グリーンツーリズム」調査委員(運輸省)、 オートキャンプ場管理運営指針」検討懇談委員(建設省)などを歴任。