第51回「わからないことは経験者に聞いてみよう」 著者 村田 浩道


 近年ブームのグランピングや、整備された森林公園など管理された自然(?)のなかでのアクティビティと、むき出しの“ナマ”の自然界に入る活動とでは、そのリスクは段違いに大きくなる。そこには目に見えない危機が多く存在することが最大のリスクである。
 岩場や沢を登るのなら、目に見える危険箇所に「これは危ないな・・・」と危機管理の能力が働くが、この先のルート状況、自分や仲間の体力、これからの天候など、その時目に見えない危機も多く存在する。
 経験が少なければ、見えない危機への管理が遅れるのは当然だろう。自身のレベルに見合った登山をしましょうという言葉もよく聞くが、自身のレベルを計るものなど、一般のハイカーは持ち合わせてはいないと思う。

 また、山のレベルや難易度を数値化しても登山経験が少ない、または無い者にはよくわからないはずである。危機を軽減する一つの手段としては、やはり経験者に聞くこと習うことだろう。
 現在は少なくなってしなったが、街の山道具屋さんなどのチョット近寄りがたい店主も、山のことについて聞けば親切に教えてくれたものである。道具なんかも、使い方から自分の登山に必要なものも教えてくれた。今は大手小売店の何人かの販売員さんに聞くと良い。店員さんによって知識や経験に大きく違いがあるので、複数人に聞くほうが確かな情報をえられると思う。
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■著者紹介

村田 浩道(むらた ひろみち)
日本山岳ガイド協会認定ガイド、トレイルコーディネーター
NPO法人日本ロングトレイル協会理事・事務局長、NPO法人高島トレイルクラブ理事ほか。
高島トレイルをはじめ、全国のトレイル活性化事業にたずさわり、ロングトレイルとビジネスをテーマに活動している。また、禅宗僧侶として、禅と登山についての考察も日々おこなっている。