第37回 「トレイルと私①」 ~これまで~著者 村田 浩道


 2011年7月8日に【日本ロングトレイル協議会】が設立された。これは現在の【NPO法人 日本ロングトレイル協会(2016年2月設立。)】の前身である。そこから数えれば今年でちょうど10年を迎えたことになる。達磨さんは、少林寺で壁に向かって坐禅をすること9年で究極に辿りついたと伝えられるが、それよりも長い年月となった。今日私が携わらせていただき、各地のトレイルづくりにも参画させていただいている基盤の全ては、この10年間につまっている。

 『トレイルづくりとは国のグランドデザインをつくる。ということだ』カッコいい・・・ちょうど10年くらい前に聞いたこの言葉が殺し文句となり、“この活動はこれからの日本のアウトドア、環境、旅、教育の核になる”と勝手な妄想を抱き、かなり前のめりに日本ロングトレイル協議会活動に参画することになった。
 2011年当時、わたしは高島トレイル運営協議会のメンバーであった(現在協理事)。私のトレイルコーディネイトという仕事の基盤となり、多くの経験を得たのはこの「高島トレイル」である。高島トレイルは、国内ロングトレイルとしては比較的早い段階で長い(80㎞)トレイルの運営を開始した。ビジネスモデルの確立(自立可能)を目指そうとしていたことや、びわ湖という日本一の資源があったこと。そして、当時は富士山登山をはじめとした登山ブームであったことなどが後押しとなって、取材依頼や全国各地からの視察などが多くあった。そして2012年11月には私ほか数名が発起人となり、高島トレイルはNPO法人化を行い本格的に事業化に踏み切ることとなった。
 その年の秋に日経トレンディ編集部から日本ロングトレイル協議会に連絡があり、「2013年ヒット予測ランキングをつくるにあたって取材をしたいが、ロングトレイルとはどの様なことか、これからの日本にどのような影響を与える可能性があるのか」等の取材だった。協議会の事務局も担当していた私は、ここぞとばかりに『トレイルづくりは国のグランドデザインをつくる。ということです』のキラーワードで決めてみた。
 「え~っと、代表の方はいらっしゃいませんか・・・」軽くあしらわれた。代表との取材も終わり編集も完了して、編集部から「ロングトレイルはランクインしましたよ」の連絡があった。「今は申し上げられませんが、そこそこのランキングになってます」とのことだった。
 そして発売日、ベスト10ぐらいに入っているかな・・・と、下位から順にページをめくる。サブカルチャーから食品飲料など、様々なヒット予測ランキングで、ページをめくる毎にヒットしそうな商品やカルチャーが並ぶ。第3位『手の平タブレット』えっ・・・?タブレットが3位?(2012年当時は〇〇パッドなどのタブレット型が出始めた頃だった)ロングトレイルは載ってないやん!見落としたかな。ところで2位と1位はなんやねん。
<次回へ続く>



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■著者紹介

村田 浩道(むらた ひろみち)
日本山岳ガイド協会認定ガイド、トレイルコーディネーター
NPO法人日本ロングトレイル協会理事・事務局長、NPO法人高島トレイルクラブ理事ほか。
高島トレイルをはじめ、全国のトレイル活性化事業にたずさわり、ロングトレイルとビジネスをテーマに活動している。また、禅宗僧侶として、禅と登山についての考察も日々おこなっている。