第25回 「危機と向き合う」著者 村田 浩道


 とんでもない幕開けとなった令和2年度の春、私はガイド事務所を法人化して初めての決算と税務申告の年となった。色んな事情があり法人化に踏み切り、このコラムを書いている。今は無事に税務申告も終え、法人も1周年を迎えようとしている。皆さんに支えられて1年間が過ぎようとしているが、この先は新型コロナウィルスとも共存を図らなくてはならないようである。

 私たち山のガイドにコロナの影響がで出したのは3月上旬の段階だった。多少の差はあれど仲間に聞いた様子では、おおかたがこの頃から旅行社の山ツアーは中止となった。
 連日クルーズ船の報道がされ、国内感染物事も日に日に増え、オリンピックはどうなるか・・・あたりだったと思う。今から考えれば、みな楽観的だった。旅行社担当も4月のツアーは予定どおりの方向だったし、個人のお客様とは予定どおりの山行を決行した。
 私の場合は最後の宿泊山行は、3月25日からの2泊3日だった。前日の3月24日には東京オリンピックが延期となって、お客様ともけっこう大変な状況になってきましたね・・・と話してはいたが、まだどこか自分自身からは遠い出来事のような感じがしていた。この頃国内感染者は1,000人を超えている。

 そして、4月7日に埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、大阪府、兵庫県、福岡県の7都府県に対し、5月6日までの緊急事態宣言が発令され、国内感染者は1日で500人を超えた。
さすがにこの辺りからヤバい・・・と感じ始めた、私の地元や仕向け先の状況はどうあれ、お客様は大阪、兵庫、京都(京都はまだ緊急事態ではなかっだが)在住者がほとんど。3月末から軒並みキャンセルの連絡があり、4月上旬には市町村とのロングトレイル整備事業打合せを残しただけで、カレンダーは真っ白になった。

 どうするか・・・仲間からも、どう?ヤバいね・・・と不安が募るなかで4月16日には全都道府県に対し緊急事態宣言が発令された。自分たちの力ではどうにもならない事に、一喜一憂しても無駄な時間でしかないとは解っているが、ニュースやワイドショーを見ては「ハァ・・・」とため息ばかりでた。
 我々の仕事はテレワークとはいかない、外に遊びに出てなんぼであるから、外出自粛とは期間的な廃業と変わりない状態である。お客様とは妄想月間にしましょうと笑いあったが、かなりマズイ状況だ。私たちのガイド業は、仕入れというものが無いからまだマシではあるが、飲食業界や小売販売業は相当な覚悟を強いられていたと思う。
※画像はイメージです。



■バックナンバー
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山岳ガイドの四方山話 27

■著者紹介

村田 浩道(むらた ひろみち)
日本山岳ガイド協会認定ガイド、トレイルコーディネーター
NPO法人日本ロングトレイル協会理事・事務局長、NPO法人高島トレイルクラブ理事ほか。
高島トレイルをはじめ、全国のトレイル活性化事業にたずさわり、ロングトレイルとビジネスをテーマに活動している。また、禅宗僧侶として、禅と登山についての考察も日々おこなっている。