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(敬称略)
1月26日(土)、2018年度自然体験活動支援事業「第17回トム・ソーヤースクール企画コンテスト」表彰式・講演会が、横浜市みなとみらいにある安藤百福発明記念館横浜(愛称:カップヌードルミュージアム横浜)で開催され、教育関係者をはじめ、自然体験活動関係者や一般の方々など、およそ220名が参加されました。![]() <主催者挨拶 要旨> 公益財団法人 安藤スポーツ・食文化振興財団理事長 安藤 宏基 理事長 ![]() 安藤財団は4つの公益的事業を行っています。1つ目は、陸上競技の支援で、「全国小学生陸上競技交流大会」、「全国小学生クロスカントリーリレー研修大会」を支援するほか、若手アスリートの海外挑戦を支援する「安藤財団グローバルチャレンジプロジェクト」も行っています。2つ目は、自然体験活動の支援です。「トム・ソーヤースクール企画コンテスト」の開催、そして安藤百福センター(長野県小諸市)を拠点に指導者の育成とロングトレイルの普及・振興、さらには「JAPANTRAIL」プロジェクトの支援を行っています。3つ目は、「食創会」を主宰し、新しい食品の創造と開発への支援です。4つ目は、大阪池田と横浜にある「安藤百福発明記念館(愛称:カップヌードルミュージアム)」の運営です。体験型ミュージアムを通して、子どもたちに創造することの重要さを伝えています。 本日は、表彰4団体の活動報告と岡田武史さんの講演を楽しみにしています。 <来賓挨拶 要旨> 文部科学省 総合教育政策局 地域学習推進課 青少年教育室 室長 平川 康弘 様 ![]() 自然体験活動は非常に重要であり、体験活動が豊富な子どもほど自己肯定感が高くなるというデータがあります。また、子どもの頃に自然を体験するほど、大人になってチャレンジ精神、やる気、生きがいを持っているというデータもあります。このようなデータを背景に、文部科学省としましても、新学習指導要領に環境教育や体験活動を充実するような改正をしております。まさにこのコンテストは文部科学省の指針と合致するものであり、すばらしい事業であると思います。 今回、文部科学大臣賞を受賞されました太子町立中学校の取り組みをはじめ、各地域の特色を生かしたユニークで創造性に富んだ取り組みを熱心に進められていることに、改めて敬意を表したいと思います。本日受賞された皆様は今回の受賞をひとつの契機として、今後さらに子どもたちが自然の中で体力・想像力・チャレンジ精神を育むような企画を実践され、青少年の健全育成にご尽力いただきたいとお願い申しあげます。 結びに、主催者の安藤財団をはじめ関係者の皆様にご尽力いただいておりますことに、心から敬意と感謝を表しまして、ご挨拶と代えさせていただきます。 横浜市副市長 荒木田 百合 様 ![]() 「皆様の活動を通して育まれる協調性、たくましさ、そして身近な自然を大切に思う優しい心が、これからの地域あるいは社会を作っていくために欠かせないものだと思います。」という趣旨のお祝いの言葉がありました。 <審査講評> 審査委員を代表して、節田 重節 特定非営利活動法人 日本ロングトレイル協会会長の審査講評がありました。 ![]() 一般部門の最優秀賞である「安藤百福賞」は、社会福祉法人扶助者聖母会 星美ホーム(東京都)の「星美ホーム百名山 ~海抜0mからの挑戦~」に決定しました。子どもたちの自己肯定感を高めるプログラムを、「選ぶ」「決める」「責任をとる」という自己決定の3原則に基づいて実施している点が高く評価されました。ハードな10日間の登山を子どもたちが力を合わせて達成したことは、大変立派であると思います。 学校部門の「優秀賞」は、出雲市立須佐小学校(協働:須佐コミュニティセンター)(島根県)の「魅力いっぱい須佐の郷探訪」に決定しました。学校とコミュニティセンター、さらに地域の方々の連携があり、また計画的で継続性の感じられる活動であると評価されました。 一般部門の「優秀賞」は、寺子屋つばさ 100km徒歩の旅 実行委員会(新潟県)の「第11回 寺子屋つばさ 100km徒歩の旅」に決定しました。学校教育や家庭教育では得られない「生きる力」を育む体験活動であり、達成感や感動がよく伝わる企画でした。 「推奨モデル特別賞」は、伊那市立長谷中学校(長野県)の「鹿嶺の頂を極める! ~激辛ジビエカレーで地域おこし~」に決定しました。文部科学大臣賞を受賞した昨年からさらに進化した、継続性のある地域おこし活動は、他校のモデルになると思います。 今後さらなる飛躍が期待される活動に贈られる「トム・ソーヤー奨励賞」は、つぎの2団体に決定しました。 [学校部門] 大阪市立瓜破西小学校「瓜西ネイチャークラブ」(大阪府) 「「アトリファームでESD!」~学校・地域・家庭が協働した循環型の飼育・栽培活動を通して~」 [一般部門] 石巻のプレーパークと子どもの遊びを考える会(宮城県) 「遊び・学び・育つイベント「OGASU 村」開催 ~河川敷で子どもの想像力と発想力を思う存分発揮する~」 「努力賞」は、つぎの6団体に贈呈します。 [学校部門] 東北町立甲地小学校(青森県) 「かっちっこタイム ~川の生き物探検隊・甲地あおぞら水族館・小川原湖とともに~」 京都市立朱雀第四小学校(京都府) 「「つながる いのち」(めざせ生きものはかせ)~植物の栽培や生き物との関わりの中で、命のつながりについて考える~」 [一般部門] 自然体験楽校青森自然塾(青森県) 「夏休み 7dez チャレンジ青森横断大冒険 ~青森県太平洋から日本海・山、川、渓流、海プログラム~ 」 特定非営利活動法人 草木谷を守る会(秋田県) 「子ども適産調 ~リキノスケ未来塾~」 特定非営利活動法人 暮らし・つながる森里川海(神奈川県) 「川あそび、海あそび、湘南いきもの楽校水ガキ養成講座」 特定非営利活動法人 里豊夢わかさ(福井県) 「里山の四季 まるごと体験」 <表 彰> ■学校部門 ![]() 太子町立中学校 社会科学部 (大阪府) 企画名 「ドキドキ!ワクワク!特別体験 ~自然・生物と触れ合い、地域の魅力を発見しよう~」 ![]() 文部科学省 総合教育政策局地域学習推進課青少年教育室 平川康弘室長から、顧問の吉村元貴先生へ表彰状の授与 ■一般部門 ![]() 社会福祉法人扶助者聖母会 星美ホーム (東京都) 企画名 「星美ホーム百名山 ~海抜0mからの挑戦~」 ![]() 安藤宏基理事長から、自立支援コーディネーターの伊丹大輔さんへ表彰状の授与 ■学校部門 ![]() 出雲市立須佐小学校(協働:須佐コミュニティセンター) (島根県) 企画名 「魅力いっぱい須佐の郷探訪」 ![]() 安藤宏基理事長から、大崎強センター長へ表彰状の授与 ■一般部門 ![]() 寺子屋つばさ 100km徒歩の旅実行委員会 (新潟県) 企画名 「第11回 寺子屋つばさ 100km徒歩の旅」 ![]() 安藤宏基理事長から、嘉瀬一洋会長へ表彰状の授与 <受賞団体報告> 表彰式ののち、受賞各団体から活動報告がありました。 ![]() ![]() 太子町立中学校 社会科学部 (大阪府) 「ドキドキ!ワクワク!特別体験 ~自然・生物と触れ合い、地域の魅力を発見しよう~」 ●発表のポイント ・生徒が主体となって、自然環境など太子町の魅力を研究・取材した。 ・川の整備やお寺の残ロウソクのリサイクルなど、環境保全活動も行った。 ・活動の成果を小学生や地域の方々に、観察会の開催や雑誌の発行などで発信した。 ・コミュニケーションやスポーツが苦手で自己肯定感が低かった生徒も、自分が興味を持って研究したことを小学生や地域の方々に発表し、活動を評価してもらうことで、自己肯定感を持てるようになった。 ・今後は中学生のクラブ活動から、地域の様々な人々が関わり合える取り組みへと発展させたい。 ![]() ![]() 社会福祉法人扶助者聖母会 星美ホーム (東京都) 「星美ホーム百名山 ~海抜0mからの挑戦~」 ●発表のポイント ・仲間とともに考え、困難な状況に立ち向かうことで、本物の自信や感動を得ることができ、日常生活においても困難を乗り越えるきっかけになる事を期待して、冒険的野外活動を行っている。 ・最初は各自の体力や気持ちがバラバラでグループとしてなかなか進めないが、日々の活動とふりかえりを繰り返すことで、自分で何ができるのかを考え、行動できるようになっていく。そしてグループとしてまとまったときの推進力は、すさまじいものがある。 ・ゴールした子どもたちからは自信や達成感・充実感がほとばしり、リタイヤした者は後悔や悔しさを感じ、自分を見つめるきっかけになる。中学1、2年でリタイヤしても、最終学年である中学3年でリタイヤした者は過去に一人もいない。 ![]() ![]() 出雲市立須佐小学校(協働:須佐コミュニティセンター) (島根県) 「魅力いっぱい須佐の郷探訪」 ●発表のポイント ・「地域の子どもは地域で育てる」を合い言葉に、学校・家庭・地域が子育てに取り組み、学校と地域の仲介役を須佐コミュニティセンターが担っている。 ・子どもたちは地域住民から歴史や自然など、たくさんの話を聞き、体験をすることで、地域のすばらしさを学んだ。 ・子どもたちは自分たちの住む地域をどう守るのか、そのために自分は何ができるのか考えるようになった。 ![]() ![]() 寺子屋つばさ 100km徒歩の旅実行委員会 (新潟県) 「第11回 寺子屋つばさ 100km徒歩の旅」 ●発表のポイント ・子どもたちに限界に挑戦させることによって、「生きる力」:思いやりや負けない精神力を養う。 ・子どもたちの挑戦を支えるため、スタッフの研修も行っている。大学生スタッフの起用は、異世代間の交流にもなっている。過去の参加者であった中高生もスタッフとして参加できる体制も整った。 ・スタッフたちに支えられながら、参加者73名全員が感動のゴールを迎えられた。 ・参加者→学生スタッフ→社会人スタッフ→スタッフの子たち・・・という、人づくりの循環ができるように、この事業を続けていきたい。 <講演会> (株)今治.夢スポーツ代表取締役会長、元サッカー日本代表監督の岡田武史さんをお招きし、「自然体験~遺伝子にスイッチを入れるには~」をテーマにご講演をいただきました。 「変化する地球環境の中での『生きる力』を養うために、また環境を少しでも守るという意識を持つため、便利すぎるAI社会のなかで人間性を取り戻すために、いちばん必要なのは『自然体験』だと確信しています。」と熱く語られました。 ![]() |