2015年度 審査結果発表    

公益財団法人 安藤スポーツ・食文化振興財団(略称:安藤財団/所在地:大阪府池田市/理事長:安藤宏基)は、「第14回 トム・ソーヤースクール企画コンテスト」(後援:文部科学省ほか)の審査委員会を開催し、2015年度の表彰団体を決定しました。

学校部門の最優秀賞となる「文部科学大臣賞」は、6年間の環境体験学習の集大成として子どもたちが主体的に発案した環境保全活動に取り組んだ、たつの市立新宮小学校(兵庫県)の「人も自然も笑顔の楽園プロジェクト」に決定しました。
また、一般部門の最優秀賞となる「安藤百福賞」は、豊かな自然の中で四季を通して森に親しみ、自然と触れ合う活動を継続して行った、橋本ひだまり倶楽部(和歌山県)の「『郷土の森』もっと知って、自然を活かして、不便を楽しむ!!」に決定しました。最優秀賞に選ばれた2団体には、それぞれ副賞として100万円を贈ります。

その他、優秀賞2団体、推奨モデル特別賞2団体、トム・ソーヤー奨励賞3団体を決定しました。
表彰式は、2016年1月30日(土)、安藤百福発明記念館(愛称:カップヌードルミュージアム/神奈川県横浜市)で開催し、ゲストに近藤謙司氏(日本山岳ガイド協会認定国際山岳ガイド)と田中陽希氏(プロアドベンチャーレーサー)をお招きし、トークショーも行います。

コンテスト表彰式・トークショーのお知らせ
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公益財団法人 安藤スポーツ・食文化振興財団は、創設者 安藤百福(あんどう ももふく)が掲げた『食とスポーツは健康を支える両輪である』の理念のもとに、青少年の健全育成と食文化向上のための事業を行っています。陸上競技の支援事業、独創的な基礎研究、食品開発、ベンチャーなどを支援する食創会「安藤百福賞」表彰事業、発明記念館の運営(大阪府池田市と横浜市みなとみらいの2ヵ所)のほか、1983年の財団設立当初から、自然体験活動の普及に取り組んでいます。

「トム・ソーヤースクール企画コンテスト」は、『自然体験は子どもたちの体力、創造力、チャレンジ精神を育む』との考えに基づき、全国の学校や団体から自然体験活動の企画案を公募、その実施を支援し、優秀な活動団体を表彰するものです。また、安藤財団では、身近な自然に子どもたちを案内する指導者を育てる「上級指導者」の養成を目的として、2010年5月に「安藤百福記念 自然体験活動指導者養成センター」(略称:安藤百福センター)を長野県小諸市に設立しました。この2つの事業を通じて、子どもたちの自活力を育む自然体験活動の普及啓蒙と指導者の育成強化に貢献しています。

■学校部門
文部科学大臣賞 副賞100万円+チキンラーメン1年分
  企 画 名 人も自然も笑顔の楽園プロジェクト
  学 校 名 たつの市立新宮小学校(兵庫県) [速報レポート
  代 表 者 藤川 政之 校長
  活動内容 6年生が主体的に発案した自然験活動。校内の荒れ地をビオトープや憩いの場として整備し、活動の拠点として取り組んだ。低学年や園児を招待し、自然の面白さを伝える機会を設けるなど幅広い活動を展開した。
  受賞理由 総合的学習を中心単元に、理科、社会、道徳等を関連教科として正規カリキュラムに位置づけた点は、模範事例として全国の学校に周知したい活動である。6年間の環境体験学習の集大成にふさわしい活動であった。
 

優秀賞 副賞50万円+チキンラーメン半年分
  企 画 名 尼崎の海と大地をつなぎ命の循環を学ぶ自然体験(尼崎の海へ恩返し)
  学 校 名 尼崎市立南武庫之荘中学校 動植物介在教育研究会(兵庫県) [速報レポート
  代 表 者 阿部 保彦 校長
  活動内容 尼崎の海や運河をテーマとして、畑や森づくりにも取り組み、かたちは変わっても生命はつながり続ける「命の循環」を体感させる環境学習活動。
  受賞理由 ワカメの栽培、堆肥化、菜種の栽培と調理、そしてバイオディーゼル燃料生成と、一環した環境教育、自然体験学習への取り組みが高く評価された。
 

推奨モデル特別賞 副賞20万円+カップヌードル1年分
  企 画 名 大阪市住之江区新北島区のアリのモニタリング調査と
アルゼンチンアリ(特定外来生物)の駆除
  学 校 名 大阪市立新北島中学校 科学部(大阪府) [速報レポート
  代 表 者 原口 貴美子 校長
  活動内容 環境事務所や地域の住民らと協働しながら、アルゼンチンアリを駆除する取り組み。責任感や自尊感情を育てることを目的とするとともに、地域の環境を理解し地元に貢献する環境教育活動。
  受賞理由 これまでに本企画コンテストで例のなかったアリのモニタリング、という地道で根気のいる調査を続けていることが高く評価された。しかし科学的要素は高いものの、自然体験要素にやや欠けるため、屋外も取り入れた活動になるよう、更なる活動に期待したい。
 

■一般部門
安藤百福賞 副賞100万円+チキンラーメン1年分
  企 画 名 「郷土の森」もっと知って、自然を活かして、不便を楽しむ!!
  団 体 名 橋本ひだまり倶楽部(和歌山県) [速報レポート
  代 表 者 石井 敏明 会長
  活動内容 郷土の森の豊かな自然を生かし、植物・昆虫・野鳥観察、マガジンラック製作、藍染めなどのクラフト体験を行った。伐採した木で薪を作り、カマドで米を炊き、冬は暖をとることを学ぶなど、四季を通して森の不便な生活を楽しみながら体験する企画。
  受賞理由 多種多様な活動に加え、慣れない道具を使うなど、森の中の不便な生活を子どもたちに体験させた。子どもたちに欠けている野外体験の機会を提供するもので、同時に、指導した高齢者の活躍の場の提供など、社会貢献的な価値ある活動でもあった。
 

優秀賞 副賞50万円+チキンラーメン半年分
  企 画 名 久米島・ホタルレンジャーがつぐむ、人とホタルの里づくり
  団 体 名 久米島ホタルの会(沖縄県) [速報レポート
  代 表 者 島村 一司 会長
  活動内容 失われつつある里山の森と田んぼ、湿地、小川などの自然環境を復元・再生する活動。島中をホタルの舞い飛ぶ、星降る空を実現するため、ホタル水路・木道ビオトープづくりなどを、1年を通して行うホタル保護再生の自然体験活動。
  受賞理由 地元の子どもだけではなく、観光や修学旅行で来ている子どもたちも体験できる、参加者層も広い活動であった。また、保護再生活動だけにとどまらず、海・川の生き物観察など、久米島の自然を存分に体験できた。小さな島の特性を生かした一貫性のある活動が高く評価された。
 

推奨モデル特別賞 副賞20万円+カップヌードル1年分
  企 画 名 子どもも、まちの主人公 ~水辺を丸ごと知り、楽しもう~
  団 体 名 自然と文化の森協会 猪名川キッズクラブ(兵庫県) [速報レポート
  代 表 者 内田 大造 会長
  活動内容 都会の貴重な自然が残る場所をホームグラウンドに、川遊びやバッタ捕りのほか、水質調査や外来植物の駆除活動に取り組み、子どもたちに身近な自然の素晴らしさ、自然保護の心情を学ばせる。
  受賞理由 川の活動だけに留まらず、農業なども取り入れた体験活動を週1回開催した。好きな時に子どもだけや家族でも参加できる自由度の高い活動。指導者は年齢層も幅広く、三世代が交流した点は好印象であった。しかし、子どもたちが主体的に取り組んだり、チャレンジする姿勢に少し欠け、やや不満が残った。
 

■部門共通
トム・ソーヤー奨励賞 副賞チキンラーメン半年分
  企 画 名 ももっこ里山プロジェクト -全校の児童たちで生態園をさらに充実させよう-
  団 体 名 千里みらい夢学園 吹田市立桃山台小学校(大阪府/委託:すいた体験活動くらぶ) [速報レポート
  代 表 者 西田 智子 校長
  活動内容 総合学習の時間を使った全校児童参加の大きな体験型環境学習で、ミニ田んぼ、ビオトープ、みどりのカーテン、畑づくりや校庭の芝生化等を行う。
  受賞理由 校庭を里山にするという目標に向かって、各学年がテーマを決め全校児童が参加する体験型学習をおこなった。学校、保護者、地域の三者が一体となって実施した点は他の学校の参考となる。しかし、児童の自主性や企画参加への積極性がやや乏しいように感じられ、改善を期待したい。
 

トム・ソーヤー奨励賞 副賞チキンラーメン半年分
  企 画 名 地域に広げる!かぶとむし園・ホタル池 拡充活動 ~学校ビオトープから里山復元に向けた子どもたちとの挑戦~
  団 体 名 町田市立鶴川第二小学校(東京都/委託:鶴川二小おやじの会) [速報レポート
  代 表 者 後藤 良秀 校長
  活動内容 ビオトープ活動の一環として行っているカブトムシの産卵場所を地域にも拡散する。学校で育てているヘイケボタルを、冬には水田んぼ(不耕起、冬期水農法)にして、郊外に還すことに挑戦する活動。
  受賞理由 カブトムシという子どもが興味を持ちやすい身近な教材を使って、生きものの命をしっかり考えさせる点は評価できた。しかしコアメンバーのクラブ活動は頑張っているが、学校全体の取り組みとしてはやや乏しく感じられた。
 

トム・ソーヤー奨励賞 副賞チキンラーメン半年分
  企 画 名 きりたっぷ子ども自然クラブ
  団 体 名 NPO法人霧多布湿原ナショナルトラスト(北海道) 速報レポート
  代 表 者 三膳 時子 理事長
  活動内容 地元のプロカメラマンに教えてもらう写真撮影や、漁師さんに案内してもらう無人島探検。また、廃校キャンプ体験などでは、四季折々の自然に触れ、地域の人たちが先生となって、地元に対する誇りや愛着を育てる企画。
  受賞理由 10年間の活動が地域に根付いている点や、OBの中高生がボランティアとして参加していることは、高く評価できる。しかし、定番の自然体験活動には子どもたちが集まるが、環境体験学習には参加者が少ないことは残念である。この点を改善し、幅広い体験活動に期待したい。