2014年度 審査結果発表    

公益財団法人 安藤スポーツ・食文化振興財団 (略称:安藤財団 所在地:大阪府池田市 理事長:安藤宏基) は、「第13回トム・ソーヤースクール企画コンテスト」(後援:文部科学省ほか) の審査委員会を開催し、2014年度の表彰団体を決定しました。

学校部門の最優秀賞となる「文部科学大臣奨励賞」は、総合的な学習の時間を利用して、子どもたちが主体になって、地域を流れる川を教材にした自然体験とその思いを絵や文章にした表現活動を展開した、上越市立大手町小学校 [新潟県] の『とことん青田川~体験活動と言語活動をつなげて学びを深める~』に決定しました。
また、一般部門の最優秀賞である「安藤百福賞」は10日間の無人島での非日常な生活を体験し、子どもたちの「生きる力」を育むことをねらいとした、無人島チャレンジ実行委員会 [愛媛県] の『御五(おいつ)神島(かみじま)・無人島体験事業』に決定しました。
最優秀賞に選ばれた2団体には、それぞれ副賞として100万円を贈ります。

その他に優秀賞3団体、トム・ソーヤー奨励賞2団体を決定しました。
表彰式は、2015年1月31日(土)、安藤百福発明記念館 (愛称:カップヌードルミュージアム、横浜市) で開催し、スキーノルディック複合五輪金メダリストで元参議院議員の荻原 健司 (おぎわら けんじ) 氏による特別講演も行います。

コンテスト表彰式・講演会のお知らせ
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公益財団法人 安藤スポーツ・食文化振興財団は、創設者 安藤百福 (あんどう ももふく) が掲げた『食とスポーツは健康を支える両輪である』の理念のもとに、青少年の健全育成と食文化向上のための事業を行っています。陸上競技の支援事業、独創的な基礎研究、食品開発、ベンチャーなどを支援する食創会「安藤百福賞」表彰事業、発明記念館の運営 (大阪府池田市と横浜市みなとみらいの2箇所) のほか、1983年の財団設立当初から、自然体験活動の普及に取り組んでいます。

「トム・ソーヤースクール企画コンテスト」は、『自然体験活動は、子どもたちの体力、創造力、チャレンジ精神を育む』との考えに基づき、全国の学校や団体から自然体験の企画案を公募、その実施を支援し、優秀な活動団体を表彰するものです。また、安藤財団では、身近な自然に子どもたちを案内する指導者を育てる「上級指導者」の養成を目的として、2010年5月に「安藤百福記念 自然体験活動指導者養成センター」(略称:安藤百福センター) を長野県小諸市に設立しました。この2つの事業を通じて、子どもたちの自活力を育む自然体験活動の底辺の拡大とさらなる活性化を図っています。

■学校部門
文部科学大臣奨励賞 賞金100万円+副賞チキンラーメン1年分
  企 画 名 とことん青田川 ~体験活動と言語活動をつなげて学びを深める~
  学 校 名 上越市立大手町小学校(新潟県) 速報レポート
  代 表 者 加藤 誠雄(校長)
  活動内容 川への飛び込み、タイヤチューブや発泡スチロールで作った舟での川下りなどを体験すると共に、川辺に生息するマコモやヨシを刈り取ってペンや紙を作り、体験での気づきや思いを表現する活動へとつなげる。
  受賞理由 川をテーマとして連続した体験活動を、生徒の自主性を尊重して行われていたプログラムである。活動を学校の授業として、年間を通じて行っている点は総合学習の先駆的事例で見本となる。地域に根ざした自然体験と、川にあるヨシを使ったペンと紙で墨絵を描く言語活動をつなげる試みは高く評価できる。

優秀賞 賞金50万円+副賞チキンラーメン半年分
  企 画 名 「自然に親しみ・自然を理解し・自然を大切にし・生きる力を高めよう!」
~全校たてわりグループで自然体験活動をしよう~
  学 校 名 京都市立醍醐西小学校(京都府) 速報レポート
  代 表 者 安藤 昌之(校長)
  活動内容 全校児童が自然体験活動のできる場を設定し、年間を通して自然に親しむ活動を行う。たてわり班で野外ゲーム、野外炊飯や登山等にチャレンジする。
  受賞理由 授業だと参加者が限られるので児童会の行事にしたところが非常に良い。5年生が長期合宿を経験してから、取り組意欲が高まり、全校に広まって児童の主体的な取り組みに変わった点などが自然体験の効果や良さのわかる活動であった。

優秀賞 賞金50万円+副賞チキンラーメン半年分
  企 画 名 わくわくドキドキしんぐう☆自ぜん研究所 ~命のつぶやき見つけた~
  学 校 名 たつの市立新宮小学校3年生(兵庫県) 速報レポート
  代 表 者 治田 国晴(校長)
  活動内容 地域とかかわりの深い「養蚕」について体験をおりまぜて学んだり、手作りイカダに乗って揖保川探検、生き物調査など自然体験と学びを一体化させる企画。
  受賞理由 空き教室を研究所にする発想や、カイコとアゲハを比較するというアイデアが面白い。飼育以外にも地域の揖保川を中心に自然観察を行い、活動だけに終わらず分析・整理・発信という学びと一体化させ、理科や総合学習の時間に位置づけた教育課程に展開した点が評価できた。

■一般部門
安藤百福賞 賞金100万円+副賞チキンラーメン1年分
  企 画 名 御五(おいつ)神島(かみじま)・無人島体験事業
  団 体 名 無人島チャレンジ実行委員会(愛媛県) 速報レポート
  代 表 者 井門 照雄(会長)
  活動内容 無人島という制約された環境の中で自ら創意工夫し、班毎に生活の場をいかに便利に快適に整えたかを競う「テントサイトコンテスト」や、釣りやシュノーケリングで食材を自ら調達する「自給自足的生活」などを行う9泊10日のサバイバルキャンプ。
  受賞理由 無人島で、「不足・不便・不自由」な生活に挑戦させ、子どもたちの「生きる力」を育むことをねらいとしたプログラム。実践だけという企画も多い中、はじめと終わりに青少年施設を使い、子どもたちの心身の準備と終了後の反省を行っている点も高い評価となった。

優秀賞 賞金50万円+副賞チキンラーメン半年分
  企 画 名 理科の修学旅行
  団 体 名 柏の葉サイエンスエデュケーションラボ(千葉県) 速報レポート
  代 表 者 秦 大樹(代表)
  活動内容 「不思議な自然を科学する」のキャッチフレーズのもと、新潟県南魚沼郡を舞台に、子どもたちが不思議に感じるきっかけを提供できるよう構成されたプログラムのもとで行う体験活動。
  受賞理由 事前学習と事後発表会を開催したことにより、知らないうちに理科の勉強が進むようになっているが、学習により過ぎない配慮もある。今後の科学者・研究者と地域や住民をつなぐ手段として、このような体験活動も「トム・ソーヤー」の一つの見本となる活動として評価された。

■部門共通
トム・ソーヤー奨励賞 副賞チキンラーメン半年分
  企 画 名 青森県日本海から太平洋までの横断青森5名山大冒険
  団 体 名 森の自然体験楽校 スキー楽校 青森自然塾(青森県) 速報レポート
  代 表 者 佐藤 好文(塾長)
  活動内容 青森県の5つの名山(白神岳、岩木山、八甲田山、烏帽子岳、階上岳)を登頂する中で、「行動」「考動」「活動」の3Dを基本とし、子どもたちが自ら率先し、大自然にチャレンジする企画。
  受賞理由 県内の五名山を突破するというアイデアが面白い。年齢差があるメンバーであったがお互いに支え合って登っていたり、自宅休息を入れるなど安全に配慮している点など参考になる部分も多い。しかし雨具や着替えを用意しなかったり、登山靴の未着用など、登山という活動なのに安全対策がやや不十分と思われ、改善の必要なところがあった。
  企 画 名 鶴岡市ケヤキの森でこども山伏修行!
  団 体 名 特定非営利活動法人 公益ふるさと創り鶴岡 [山形県] 速報レポート
  代 表 者 風間 富士子 (代表理事)
  活動内容 羽黒山伏の先達のもと、羽黒山登山や湯殿山での滝行を体験するなど、自然の尊さを身体で知り、自然と一体となって生きてきた「山伏」の生き方を体験を通じて学ぶ企画。
  受賞理由 日本古来の「山伏修行」という他にはない企画で、応用すれば各地での伝統修行の水平展開が見込める企画のアイデアとしては評価できる。ただし、1泊が一度だけであったり、夏と秋の活動の関連性が乏しかったり改良の余地があると思われる。またプログラムにももっと子どもたちの興味をひくものを取り入れる創意・工夫が必要であり、今後の展開に期待したい。