2012年度 審査結果発表    

公益財団法人安藤スポーツ・食文化振興財団は、「第11回トム・ソーヤースクール企画コンテスト」(後援:文部科学省ほか)の審査委員会を開催し、2012年度の表彰団体を決定しました。 学校部門の最優秀賞となる「文部科学大臣奨励賞」は、若狭湾の豊かな自然や伝統の大敷網漁等の体験、地域社会との交流を通じて郷土愛を深めた活動を展開した、若狭町立岬小学校・三方中学校岬分校(福井県)の「PRIDE OF MISAKI(岬の誇り)」に決定しました。
また、一般部門の最優秀賞である「安藤百福賞」は、放課後複数の小学校で質の高い環境教育を展開し、学校と地域をつなぐコーディネーターの役割を果たした、明石のはらくらぶ(兵庫県)の「~現代にトムソーヤを甦らせるプロジェクト~未来のリーダー集まれ!放課後の自然たんけん隊」に決定しました。
最優秀賞に選ばれた2団体には、それぞれ副賞として100万円と日清食品「チキンラーメン」1年分を贈ります。

さらに、昨年度から自然体験活動のプランニングや指導の方法、そして計画を実施に移す過程などが、多くの学校や団体の参考モデルになると認められた企画に贈る「推奨モデル特別賞」を設けました。
本年度は、367キロの信濃川を舞台に幾多の困難を乗り越えて、長期チャレンジキャンプを成し遂げた、独立行政法人青少年教育振興機構国立妙高青少年自然の家(新潟県)の「YES,I CAN IN信濃川2012~この夏見つける輝く自分日本一の信濃川367キロのチャレンジ!~」に決定しました。副賞として、20万円と日清食品「カップヌードル」1年分を贈ります。
その他に優秀賞2団体、トム・ソーヤー奨励賞3団体を決定しました。
表彰式は、来る1月26日(土)に開催いたします。

■学校部門
文部科学大臣奨励賞 賞金100万円+副賞チキンラーメン1年分
  企 画 名 「PRIDE OF MISAKI(岬の誇り)」
  学 校 名 若狭町立岬小学校・三方中学校岬分校(福井県) 速報レポート
  代 表 者 川瀬 新一(校長)
  活動内容 自然豊かな若狭湾地方を舞台に、伝統の大敷網体験や干物作り体験を学び、郷土愛や自尊感情を高める企画。町役場と連携して干物作りで町おこしに参加し、生徒の創意工夫が地域社会との笑顔の交流を生み出す活動。
  受賞理由 地域社会との関わりを通じて、子どもの成長を促すよう工夫され、多様なメニューが魅力的な企画である。また、長年継続している体験活動をベースに、毎年新たな体験活動を加えて、活動のマンネリ化を防ぎ、継続の大切さと楽しさを重んじている点も評価された。

優秀賞 賞金50万円+副賞チキンラーメン半年分
  企 画 名 「1組の、1組による、1組のための『燻草(臭)活動』~炭焼き体験を通して~」
  学 校 名 飯島町立飯島中学校 3年1組(長野県) 速報レポート
  代 表 者 矢澤 淳(校長)
  活動内容 中学1年生から継続的に行ってきた炭焼きの活動をさらにステップアップさせて、総合学習の時間で本格的な炭窯を作りあげて炭焼きを行い、3年間の集大成としたこだわりの自然体験活動。
  受賞理由 クラス30人全員が、中学校生活3年間の集大成として取り組んできた「炭焼き活動」は、十分な達成感と充実感が伝わってくる企画である。生徒たちの主体性を重んじ、1つのテーマに計画性をもって向かう取り組みの深さが高く評価された。


■一般部門
安藤百福賞 賞金100万円+副賞チキンラーメン1年分
  企 画 名 「~現代にトムソーヤを甦らせるプロジェクト~ 未来のリーダー集まれ!放課後の自然たんけん隊」
  団 体 名 明石のはらくらぶ(兵庫県) 速報レポート
  代 表 者 丸谷 聡子(代表)
  活動内容 放課後、複数の小学校で出前自然教室を開催し、地域と学校をつなぐコーディネーターの役割を果たした活動。
  受賞理由 複数の小学校に積極的に入り込んで行った活動は、学校にも受け入れられ高く評価されている。また、地域社会と子どもたちをつなぐに活動として認められ、今後の自然体験活動の在り方に多くの示唆を与えると思われる。

優秀賞 賞金50万円+副賞チキンラーメン半年分
  企 画 名 「忍者キャンプ2012」
  団 体 名 学校法人 滝の坊学園 三好桃山幼稚園(愛知県) 速報レポート
  代 表 者 角田 武俊(園長補佐)
  活動内容 水とんの術でシュノーケリングにチャレンジし、「体を磨く」など、小学生や園児が自らやりたくなる自発的な「夢中体験」が数多く詰まった、工夫にあふれたドラマ的なキャンプ。
  受賞理由 子どもたちの「やりたい」気持ちを最大限に引き出すプログラムが詰まった、大変ユニークな企画で、スタッフの用意周到さが高く評価された。ただ、参加者の年齢層は幼児から高校生までと広いが、その異年齢対応の工夫がやや不明瞭であるのが残念である。


■部門共通(順不同)
推奨モデル特別賞 賞金20万円+副賞チキンラーメン半年分
  企 画 名 「YES,I CAN IN信濃川2012 ~この夏見つける輝く自分日本一の信濃川367キロのチャレンジ!~」
  団 体 名 独立行政法人 青少年教育振興機構 国立妙高青少年自然の家(新潟県) 速報レポート
  代 表 者 伊野 亘(所長)
  活動内容 367キロの信濃川を舞台に登山、MTB、ボート、手作りイカダと変化を持たせて、力強くたくましい子どもたちを育んだ11泊12日のチャレンジキャンプ。
  受賞理由 いくつものチャレンジを重ね、経験が更なる創造力を生み、子どもたちの力になるようなプログラム編成はユニークで、長期キャンプにおけるモデルケースとなる。一方で、活動にゆとりが少ない点や経費がかかることなど、改善の余地もあるものと思われる。
トム・ソーヤー奨励賞 副賞チキンラーメン半年分
  企 画 名 「MISSION POSSIBLE(ミッション・ポシブル)~おさかな大作戦」
  団 体 名 上美生学童クラブ(北海道) 速報レポート
  代 表 者 吉澤 英則(会長)
  活動内容 ちょっとヒントで可能となる「本当の自然体験」を、ちょっと危険な「川」を舞台に活動。ザリガニ捕獲作戦!や水生昆虫捕獲作戦!、ニジマス捕食作戦!に挑み、最後のキャンプ大作戦でミッションの集大成を発揮!
  受賞理由 民間運営の小規模な学童保育所が、放課後の子どもたちの居場所づくりの意義を保ちながら、義務ではない「危険な活動」にあえてチャレンジした。その勇気と行動力、そして子どもたちの満足感が感じ取れた点が高い評価につながった。今後、周到な事前準備やユニークなプログラムの開発に一層の期待をしたい。

トム・ソーヤー奨励賞 副賞チキンラーメン半年分
  企 画 名 「われら、きらり探検隊」
  団 体 名 伊那市立東春近小学校5年(長野県) 速報レポート
  代 表 者 清水 稔(校長)
  活動内容 ダム湖でのカヌー探検や学校林探検、遊具作りなどを教科内容とも関連付け、総合学習の時間を利用して実施した活動。
  受賞理由 子どもたちの願いと主体性を生かした探検や、ものづくりを通して、自然の中で遊ぶ楽しさを感じ、心と体の感覚を重視した点は評価できる。総合学習の手本となるような内容である。

トム・ソーヤー奨励賞 副賞チキンラーメン半年分
  企 画 名 「播磨マリンクルー出前授業&底引き網漁体験学習―高砂海浜公園『アオサ』回収&地曳き網漁体験学習」
  団 体 名 播磨マリンクルー(兵庫県) 速報レポート
  代 表 者 吉政 静夫(代表)
  活動内容 平均年齢71歳の地元の高齢者が、地域の幼稚園や小学校に出前水族館を届け、子どもたちに海の生き物と触れ合う機会を提供した。また、底引き網漁や地曳網漁を通じて地元の大きな自然を体験するなど、多様なプログラムを展開。
  受賞理由 「出前水族館」や海にまつわる遊びを取り入れた活動は、ユニークであり、のべ約3,000人の子どもたちが参加したその実行力と、子どもにもっと海を好きになってもらいたいという企画内容が評価につながった。一方で、活動にやや深みが欠けた点が残念である。