![]() ![]()
(敬称略)
1月26日(土)、2012年度自然体験活動支援事業「第11回トム・ソーヤースクール企画コンテスト」表彰式・講演会が、横浜市の安藤百福発明記念館(愛称:カップヌードルミュージアム)で開催され、教育関係者をはじめ、自然体験活動関係者や一般の方々など、およそ200名が参加されました。![]() <主催者挨拶 要旨> 公益財団法人 安藤スポーツ・食文化振興財団理事長 安藤 宏基 理事長 ![]() 今年で安藤財団設立30年になりますが、スポーツの陸上競技活動の支援、食文化活動の支援、発明記念館の運営、そして自然体験活動の支援を4つの事業としておこなっています。このトム・ソーヤースクール企画コンテストは、自然体験活動の分野の柱のひとつとしております。 今回は最優秀賞の文部大臣奨励賞と安藤安藤百福賞、優秀賞2団体、そのほか6団体が受賞されました。5名の審査委員が高く評価し、大変優れているということで選考されました。特にその中で、本日お越しいただいております5団体様は、大変素晴らしい企画を考え、実行されました。 自然体験とういうのは、今の日本の小学生にとって大変重要なことだと思っています。今ではインスタントラーメンをグローバルマネージメントさせていただいていますが、子どもの頃は野山をかけめぐっていました。私は自然の中で、どうしてだろう?なぜだろう?といつも考えていました。この考えるという事がとても大切であり、社会の形成やビジネスにおいても重要になります。そして、この考える事が大きな発明や発見に、つながると思います。 この度受賞されたみなさまには、そのような経験に繋がる自然体験活動を、子どもたちに指導されていることを深く感謝いたします。 <来賓挨拶 要旨> 文部科学省大臣官房 審議官 山脇 良雄 様 ![]() 子どもたちは豊かで便利な生活を行う一方で、キャンプや魚釣りや家の手伝い、地域の清掃活動をしたことがない、というように自然や地域での活動に接する機会が減少してきており、体験が不足しております。そのため、あらゆる機会をとらえて、発達段階に応じた様々な活動を提供し、豊かな人間性や社会性を育むことが重要だと考えております。 中央教育審議会というところで、今後の青少年の体験活動の推進について答申がありました。この答申では学校における体験活動の一層の充実、体験活動の評価検証制度の設立、民間企業との連携による体験活動の推進、指導者の資格を付与する仕組みの検討などであります。 文部科学省といたしましては、この方針を具体化して子ども達の豊かな心と、健やかな体の育成のために、体験活動を一層推進していきたいと考えています。 本日受賞されたみなさまにおかれましては、今回の受賞を一つの糧として、今後さらに子ども達が自然の中で、豊かな感性を育み、健やかな体を培えるように企画を実践されて、引き続き青少年の健全育成に、ご尽力をいただきたいとお願い申しあげます。 最後になりますが、主催者の安藤財団におかれましては、自然とのふれあいが子どもたちの創造性を豊にする、といった考えのもと自然体験活動の推進にご尽力いただいております。あらためて感謝いたしますとともに、その活動に敬意を表しまして、ご挨拶とかえさせていただきます。 横浜市こども青少年局長 鯉渕 信也 様 ![]() <講 評> 審査委員を代表して、岡島成行 大妻女子大学教授の講評がありました。 ![]() また、一般部門の最優秀賞である「安藤百福賞」は、放課後複数の小学校で質の高い環境教育を展開し、学校と地域をつなぐコーディネーターの役割を果たした、明石のはらくらぶ(兵庫県)の「~現代にトムソーヤを甦らせるプロジェクト~未来のリーダー集まれ!放課後の自然たんけん隊」に決定しました。代表の丸谷さんを中心に。主に女性が中心となって、素晴らしい活動をされました。 さらに優秀賞として、炭焼きの活動を中心とした、長野県の飯島町立飯島中学校3年1組の「1組の、1組による、1組のための『燻草(臭)活動』~炭焼き体験を通して~」と、一般部門の愛知県の学校法人滝の坊学園三好桃山幼稚園の「忍者キャンプ2012」に決定しました。 昨年度から自然体験活動のプランニングや指導の方法、そして計画を実施に移す過程などが、多くの学校や団体の参考モデルになると認められた企画に贈る「推奨モデル特別賞」を設けました。本年度は、367キロの信濃川を舞台に幾多の困難を乗り越えて、長期チャレンジキャンプを成し遂げた、独立行政法人青少年教育振興機構国立妙高青少年自然の家(新潟県)の「YES,I CAN IN信濃川2012~この夏見つける輝く自分日本一の信濃川367キロのチャレンジ!~」に決定しました。 <表 彰> ■学校部門 ![]() 若狭町立岬小学校・三方中学校岬分校(福井県) 企画名 「PRIDE OF MISAKI(岬の誇り)」 ![]() 文部科学省山脇審議官から、渡辺伸子先生への表彰状授与 ■一般部門 ![]() 明石のはらくらぶ(兵庫県) 企画名 「~現代にトムソーヤを甦らせるプロジェクト ~未来のリーダー集まれ!放課後の自然たんけん隊」 ![]() 安藤財団安藤宏基理事長から、丸谷聡子代表へ表彰状の授与 ■学校部門 ![]() 飯島町立飯島中学校3年1組(長野県) 企画名 「1組の、1組による、1組のための『燻草(臭)活動』~炭焼き体験を通して~」 ![]() 安藤財団安藤宏基理事長から、青森博子先生へ表彰状の授与 ■一般部門 ![]() 学校法人滝の坊学園三好桃山幼稚園(愛知県) 企画名 「忍者キャンプ2012」 ![]() 安藤財団安藤宏基理事長から、渡辺祥子理事長へ表彰状の授与 ■部門共通 ![]() 独立行政法人青少年教育振興機構国立妙高青少年自然の家(新潟県) 企画名 「YES,I CAN IN信濃川2012」 ![]() 安藤財団安藤宏基理事長から、伊野亘所長へ表彰状の授与 ■部門共通 ![]() 上美生学童クラブ(北海道) 企画名 「MISSION POSSIBLE(ミッション・ポシブル)~おさかな大作戦」 伊那市立東春近小学校5年(長野県) 企画名 「われら、きらり探検隊」 播磨マリンクルー(兵庫県) 企画名 「播磨マリンクルー出前授業&底引き網漁体験学習―高砂海浜公園『アオサ』回収&地曳き網漁体験学習」 <受賞団体報告> 表彰式ののち、受賞各団体から活動報告がありました。 ![]() ![]() 若狭町立岬小学校・三方中学校岬分校 「PRIDE OF MISAKI(岬の誇り)」 ●発表のポイント ・長年継続している体験活動に新たな体験活動を加え、環境保全、生産(第一次産業)、製造・販売(第二次産業)、観光PR(第三次産業)を実施した。 ・町と連携した、「笑顔の交流②熊川いっぷく時代村販売体験活動」という学びの出口を用意したことによって、子どもたちは見通しをもって主体的に楽しんだ。 ・一連の活動は、地域おこし、さらには町おこしにも貢献することができた。 ・連続性のある体験活動と多くの人々との交流を実現でき、やり遂げることの楽しさやうれしさを味わった。 ・体験活動から生活に根差した多くの知恵を体得し、また、交流を通して、豊かな自然と関わる恵まれた日常生活について客観的に捉えることができた。 ![]() ![]() 明石のはらくらぶ 「~現代にトムソーヤを甦らせるプロジェクト~ 未来のリーダー集まれ!放課後の自然たんけん隊」 ●発表のポイント 「子どもの意志で参加できる場づくり」 小学校との連携、放課後の校庭と時間の活用 「子どもたちの身近な地域や自然への愛着の心を育て行動へつなげるネットワークづくり」 鳥羽小学校(校長先生・教頭先生・3年生教員・教育実習生・警備員・保護者)鳥羽まちづくり協議会(環境部会)、専門家、行政など 「さらなる進化をめざしたチャレンジ」 常に課題を見つけて乗り越える知恵と努力 ![]() ![]() 飯島町立飯島中学校3年1組 「1組の、1組による、1組のための『燻草(臭)活動』~炭焼き体験を通して~」 ●発表のポイント ・炭焼き活動だけにとどまらず、焼いた炭を活用する活動にまで発展できた。 ・共通の体験活動を通し集団としてのまとまりや仲間関係作りへ大いにプラスに働いた。 ・施設をお借りしたり、竹の提供を受けたりすることで地域との繋がりを持ち、また震災をきっかけに「自分たちにできることは何か」と考え社会にも目を向けるようになった。そして、この活動ができることの幸せと感謝を感じる気持ちが育った。 ・わからないことでも挑戦し続けることで夢が叶うということを、特別支援に所属する生徒も含め30人(プラス担任1人)全員で体験することができた。 ![]() ![]() 学校法人滝の坊学園三好桃山幼稚園 「忍者キャンプ2012」 ●発表のポイント 「ドラマキャンプ 子どもの本気を引き出すために・・・」 ドラマキャンプとは、キャンプにイメージの世界をかぶせ、日常とは違う世界で遊んでみたいという子どもたちの心に寄り添ったキャンプのスタイルです。忍者からの巻物に心躍らせ、修行に挑戦し、心技体の宝玉をゲットするという摩訶不思議な世界で遊ぶことができる。そんな時間と空間を作り上げました。 ![]() ![]() 独立行政法人青少年教育振興機構国立妙高青少年自然の家 「YES,I CAN IN信濃川2012」 ●発表のポイント 「圧倒的達成感を味わわせる。」 日本一の信濃川を源流から河口まで辿るという明確な目標とゴール設定、そして一人では成し遂げられない長期の活動を設定した。 「ステージ制及びスパイラル型の活動の導入。」 活動ごとに4つのステージに分け、ステージ毎の目標を明確にもたせ、ステージ内では同じ活動を繰り返した。 「困難に自ら立ち向かおうとする力の伸長。」 たちはだかる困難に直面したときに自分たちのもつ様々な力を総合的に発揮して、課題を解決し困難を乗り越えていく様子と教育手法をまとめ、学校や教育団体等に広く提案できるようにした。 <講演会> プロ登山家の竹内洋岳さんをお招きし「私の登山人生~体験を通じて得たもの~」をテーマに、ご講演をいただきました。 竹内さんは8000m峰14座を、日本人としてはじめて完全登頂されました。九死に一生を得たような登山経験や、世界中の山仲間や国内の友人との絆を、淡々と、時には熱くお話しいただきました。 ![]() ![]() ![]() |