平成18年度トム・ソーヤースクール企画コンテスト支援50団体の企画より、
その活動や実施のレポートを順次掲載していきます。


  活動レポート    

NO学校・団体名都道府県企画の概要
46 東峰村レクリエーション協会 福岡県 「ポーン太の森自然冒険塾」
英彦山修験者の修行体験をはじめ、刃物を使う体験、火を使う体験、夜の闇体験、自然の神秘体験、川遊び体験、自分を見つける体験、他人と協力・協調して行動する体験など、7つの課題を設定した自然体験活動。

「ポーン太の森自然冒険塾」 親のデイキャンプ・子供キャンプ [8/27-29]

 日  時:親のデイキャンプ 平成18年8月27日(日)
       子供キャンプ 平成18年8月27日(日)~29日(火)
 場  所:東峰村 ポーン太の森キャンプ場
 参加者:子ども21名、親21名、スタッフ20名、協力者10名

 「ポーン太の森キャンプ場」をメイン会場に、3日間テント生活を
 しながら自然冒険塾の7つの課題に挑戦しました。
 2日目の峰入登山では、天候にも恵まれメンバー全員が挑戦し
 最終ゴールの行者堂には8名のメンバーがたどり着きました。
 閉村式では、塾長から一人一人に修了証が手渡され
 メンバーからは、思い出に残った自然冒険塾の感想が発表されました。


刃物を使う体験

火を使う体験

自然の神秘体験

夜の闇体験

川を遊ぶ

小石原焼の絵皿



 <今、伝えたい新しい自然体験のスタイル!>

子供の成長に一番大きな影響を与える親の理解と親子の共感を
キャンプ実施中だけでなく事前・事後で感じてほしい。
「次代を担う子供たちが、より自然と一体になれるキャンプ。
自ら考え行動するキャンプ。そして親の理解と共感を得られるキャンプ。」
をやりたいと考えました。
そこで、親の1日デイキャンプの参加を義務づけて
子供のキャンプと同一会場・別日程で企画し実施しました。

 <7つの課題に悪戦苦闘(一部紹介)>

課題1 刃物を使う体験
キャンプ中に使うハシとコップを、ナイフとノコを使って作る。
という課題は、日頃刃物を使うことの少ない子供たちにとっては大変なことで
作らないとご飯が食べられない、お茶が飲めない現実から、刃物を使う必要性が生れます。
また、協力して竹を切る活動を通じて、班員及びリーダーとの交流も深めることができました。

課題2 火を使う体験
メンバーはマイギリ式とキリモミ式、火打ち石による火起こしに挑戦しました。
残念ながらどの方法も点火はできませんでしたが、成功することが目的ではありません。
チャレンジ精神、そして失敗も貴重な経験なのです。
また、マッチによる火付けや飯盒炊飯にも班ごとに挑戦し
より原始的な火を使う体験をすることができました。

課題3 自然の神秘体験
その昔、英彦山修験者が峰入修行をしたと言われる修行の道10キロに挑戦しました。
途中には両側断崖絶壁の「糸ケ峰」や
修験者が生まれ変わりの儀式をしたといわれる「生れ岩」などの
険しい難所がいくつもありました。
「生れ岩」では、高さ20メートルの2つの大岩の間を
命綱をつけてよじ登りました。
峰入登山は、困難を克服してチャレンジするという貴重な直接体験となりました。

課題4 夜の闇体験
シイの木に囲まれた灯一つない森の神社へのナイトハイク。
メンバーは、「ろうそくランタン」と「懐中電灯」を頼りに闇の世界に挑戦しました。
日常の生活では、闇の世界を体験することはまずありません。
うっそうとした森は大人でも怖い所です。
神社にある自分の名札を探してくるという課題は、恐怖との戦いでした。

課題5 川を遊ぶ
今回の冒険塾は、3日間雨の降らない日はありませんでしたが
不思議と活動しようとした時には雨はあがってくれました。
そんな中での川遊びは、メンバーの一番の笑顔に出会えました。
冒険塾の課題を乗り越えてきたメンバーには
びしょぬれになって自由に川を遊ぶことは、「楽しい!」の一言。
子どもの遊びは、楽しみたいという思いと自由な発想の中で生まれるものだと実感しました。

 <親の体験プログラム>

親の皆さんにも自然体験を楽しんでもらいたい。
子どもたちの活動の様子や会場を見てほしい。
直接自然冒険塾のねらいを伝えたい。
そんな思いを込めた体験活動を用意しました。
アウトドアクッキングでは、「野草と夏野菜の天ぷら」「ダッチオーブン料理」「竹飯」「ホットドック」に挑戦し
「小枝のクラフト」では手作りおもちゃの魅力と難しさを実感する機会となりました。
また、「今、子どもたちに求められる自然体験」をテーマに
親の期待や心配、今日の体験活動の感想について意見交換をしました。

 <記念品は小石原焼の絵皿>

最終日の午後は、伝統的工芸品小石原焼の窯元の方に直接指導してもらい、7寸皿の絵皿づくりを体験しました。
自然冒険塾の記念に、メンバーの描いた作品は、10月の「小石原焼絵皿コンテスト」に出品し、展示されます。
そして、10月末にはそれぞれの家庭に届けられ、思い出と共に家族の食器として使われます。
地域の特性を生かした、世界にたった一つの自然冒険塾の記念品です。

 <記録はDVDにして>

今回、自然冒険塾で撮影した映像と写真は、DVDと写真CDにして、メンバーの感想文と一緒に参加した家族に送付します。
これは、参加した子どもたちだけでなく、親や家族に冒険塾の様子を伝える上で非常に重要と考えています。
このDVDの映像を見ながら、少年時代のひと夏の冒険として、家族の会話が生れれば嬉しいのです。
「経験を日常生活に生かしてほしい」そんな願いと共に!

 <最期に ~メッセージ~>

ポーン太の森自然冒険塾では、
「子どもたちが挑戦しようと思ったとき、新しい冒険がはじまります。」。
東峰村の自然が、現代社会で生きる私たちに、言葉では決して伝えられない自然の偉大さや厳しさ、自然の神秘を教えてくれます。
魅力的な自然体験活動を提供することはもちろん、キャンプをとおして子供の成長に一番大きな影響を与える親の理解と共感を深め、キャンプを共通の話題として家族の絆を強めてほしい。
それが「ポーン太の森自然冒険塾」のねらいです。
そして、「なぜ、何のためにこの事業に取り組むのか」「どんな内容なのか」を社会の多くの人に伝えたいと考えています。
今年第4回を実施しましたが、メンバーを経験した1人のジュニアリーダーが育ったことは、大きな成果です。
これからも10年間かけて少しずつ理想に近づけていきたいと思っています。
参加者の数ではなく、感動や交流、新しい出会いを大切に、妥協することなく思いを情熱にして、これからも取り組んでいきたいと思います。また来年、8月に「ポーン太の森自然冒険塾」を開催します。
いつの日か参加者の中から一緒に夢をみてくれるリーダーが現れるまで・・・。

『ポーン太の森自然冒険塾は、自然の中での遊びの達人を育てます。』





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