平成18年度トム・ソーヤースクール企画コンテスト支援50団体の企画より、
その活動や実施のレポートを順次掲載していきます。


  活動レポート    

NO学校・団体名都道府県企画の概要
41 NPO法人 さんぴぃす 兵庫県 「芦屋川探検隊 ~モクズガニの遡上をみんなで助けよう!」
芦屋川は住宅地の中を流れる河川だが、良質な水質を維持している。中下流部ではモクズガニが棲息しているが、堰堤などによって遡上が阻止されている。そこで、堰堤にかける橋を設置する活動を行ないながら、餌となる水生生物などの調査も実施する。

「芦屋川探検隊 ~モクズガニの遡上をみんなで助けよう!」
モクズガニの生態を学び 芦屋川河口付近でモクズガニの産卵を確認しよう [6/11]

 日  時:平成18年6月11日(日)
 場  所:芦屋市総合公園セミナー室、芦屋川河口
 参加者:小学生100人、保護者20人、ボランティア・スタッフ10人

今年度の第1回目の活動として、芦屋市総合公園セミナー室において兵庫県立人と自然の博物館の研究員の方から、今年度の観察テーマである『モクズガニ』の生態や特徴について教えて頂いた後、芦屋川河口に移動し今年生まれたモクズガニの稚ガニをみんなで探した。

モクズガニは降河回遊性(海で生まれ、その後成長と共に川を遡上し、数年後、又産卵のため海へと下る)を持つカニで、以前は多くの川に生息し、昔から河川流域の人々の貴重なタンパク資源として、食用されていたカニである。(ちなみに、このカニは上海ガニの親戚にあたり、味も大変良いとされ、現在でも一部の地域では珍重されている。また先ごろ四国を流れる四万十川でも養殖に成功したとの報道もされている。)
しかし、近年は川の水質汚染や堰堤の増加などによりその数は減少し、都会の川ではほとんど見られない幻のカニとされている。このモクズガニであるが、都心の住宅地を流れる川としては非常に水質がきれいな芦屋川には、未だに多く生息しているが、堰堤や河川工事による川底のコンクリート化など、遡上を阻む要素は増えて来ているのが現状である。

そこで、まずは参加者と共に河口でモクズガニ探しをおこなった。当日は、ちょうど大潮と重なった事もあり、1cm以下のモクズガニの稚ガニやその他のカニ(ガザミなど)も多く発見する事が出来た。
中でも大発見は、カブトガニの死骸とモクズガニと同じく降河回遊性を持つウナギの稚魚といった非常にめずらしい他の生物も、多くの仲間の目で探した事で発見する事が出来た。
※カブトガニについては、その後博物館の協力で鑑定を行なって頂いた結果、残念ながら日本の固有種ではなく、アメリカ原産の外来種の死骸である事がわかった。(しかし35年ほど前までは、芦屋川河口にも日本の固有種のカブトガニは生息していたようである)


モクズガニを手にする参加者

ウナギの稚魚

カブトガニの死骸
河口でのモクズガニなど生物調査の様子



支援団体活動レポート