平成18年度トム・ソーヤースクール企画コンテスト支援50団体の企画より、
その活動や実施のレポートを順次掲載していきます。


  活動レポート    

NO学校・団体名都道府県企画の概要
30 NPO法人 グリーンウッド自然体験教育センター 長野県 「僕たちにもできた!!2006登り窯プロジェクト」地域に根ざした暮らしから学ぶ自然体験―土・木・炎からものづくり
「登り窯」で手作りの食器を作る。登り窯の仕組みを通じて自然について科学的な理解を深めるとともに、燃料の赤松を用意するなどの自然体験活動のプログラムが組み込まれる。

「僕たちにもできた!!2006登り窯プロジェクト」 循環する生活~薪作業編 [11/28,12/3]

 日  時:平成18年11月28日、12月3日
 場  所:長野県泰阜村 NPOグリーンウッド施設 あんじゃねの森(元学有林)
 参加者:小学5年生~中学3年生15名、スタッフ5名、地元陶芸家2名

プロジェクトの大きな山場である「窯焚き」が終了しました。
今度は来年も薪で窯が焚けるように山から薪を出してこなければなりません。
もともと今年薪窯を焚けたのも、昨年から薪を用意していたからです。
というのも、木を切ってすぐの薪は水分が多く燃えにくいのです。
ですから薪窯に適したものにするためには、一年という時間をかけて十分に乾かす必要があるのです。
使った分を返すため、子どもたちは山に入ります。

入るのは、「あんじゃねの森」と呼ばれている元学有林です。
地元の小学校の持ち物で昔はストーブや建物に使用したり、売ってお金に換えていました。
しかし燃料が薪から石油、木材も外国から輸入されるようになり、森自体が使われなくなりました。
この森を村から借り受け、薪を出していきます。
まずは薪作業のレクチャーからスタートです。
「木を切ることは環境破壊?」「なぜスギやヒノキの林が多いのか?」など森林の知識を学んだり
危険な作業でどのような点に気をつけるのか、服装の注意点を学びました。


山には既に倒して持ちやすい大きさに大人が切った
赤松の薪が大量にあります。
これが来年使われる薪!
全てを運び出すのが仕事です。

上下の作業にならないように気をつけながら
薪を投げていきます。
切ったばかりの薪はかなりの重量です。
中学生、小学生と力の差はありますが
それぞれの力を出し切って作業します。
作業は大変ですが、とても単調なもの。
体力が奪われるとやる気もなくなってきます。
ですからどれくらい楽しくできるかが重要です。
例えば中学生たちはどれくらい遠くに投げられるか競争したりします。

途中、中学生は林業の先生にサポートしてもらいながら
チェーンソーを使って木の伐倒を体験しました。
ナタやオノを使うのは慣れた子どもたちですが、
電動のチェーンソーは初めて。
その重さと振動にびくびくしていましたが
倒れた瞬間に周りから大きな歓声がわきあがり誇らしげでした。
山から下ろした薪を今度はトラックへ積みます。全員一列に並んで薪リレーです。
ゆっくりダラダラやるとつらくなるのでテンポよく行います。
飽きてきたらしりとりしたり、古今東西をしたり、楽しくすることも忘れません。
トラックに積んだ薪を何往復もして運びます。
はじめは薪の多さに圧倒されていましたが、力をあわせた結果だんだんと少なくなってきます。
最後は落とさないように通称「トラック結び」で結びます。ロープワークも自然と教わる場面があります。
赤松を倒してハゲ山のようになったあんじゃねの森。
しかし赤松を倒したことで森が明るくなり、残していた広葉樹が育つにはとてもいい環境になりました。
残ったサクラやナラが子どもたちが大人になって戻ってきた時どれくらい大きくなっているのか楽しみです。
普段、木や森と触れ合う機会の少ない子どもたちにとって
陶芸を行い、焼くための薪を手に入れるという一連の体験の中で
木が薪として活用できることを知ったことで、木のありがたみを肌で感じたのではないでしょうか。
『森は宝物』 そんな風に感じた子どもたちに、ここでの体験は一生の宝物になったことと思います。



支援団体活動レポート