平成18年度トム・ソーヤースクール企画コンテスト支援50団体の企画より、
その活動や実施のレポートを順次掲載していきます。


  活動レポート    

NO学校・団体名都道府県企画の概要
29 大町市立第一中学校探研部 長野県 「目指せ手づくりカヌーで木崎湖の調査横断」
生徒が製作するカヌーによって、木崎湖を横断するという達成感を味わうとともに、湖上での調査活動によって湖の特徴を探求しながら「やれば出来る」という自信と、郷土愛を育む活動。

「手づくりカヌーで目指せ木崎湖横断」

 <1.カヌーづくりに挑戦>

今回探研部が挑戦したカヌーは、ベニア板、コンパネを使ったものです。
昨年度、1年生のあるクラスが総合的な学習の時間で製作したカヌーと同じものです。
学校長から作り方のマニュアルを借り、必要なものをそろえた後、製作に入りました。
夏休み中に完成させようと、生徒たちと顧問は意欲満々で取り組み始めました。

型枠を取り組み立てを始めた当初は、思った以上にスムーズに行きましたが
その先は悪戦苦闘の連続となりました。
まず、波切り部や側板部の接合では、ベニア板を変形させながらの作業のため
どこからどうやっていけばよいかわからなくなってしまいました。
部員と顧問が困っていると、学校長や数名の先生たちが入れ替わりに来てくださり
部員たちにアドバイスしてくれました。
次は、半分ずつに作っていた船体の接合です。
底面部の接合面が見えないため、勘でやってみましたが、ややずれてしまいました。
このため、次の工程のガラス繊維を張ったり、樹脂を塗ったりする作業では
浸水を防ぐため、一段と慎重に行わなければならなくなりました。

このような感じでカヌーを作ってきましたので、完成したのは10月上旬になってしまいました。
でも、完成した時の部員たちには晴れやかな笑顔が広がっていました。

 <2.プールでカヌーのできばえチェック>

学校のプールでカヌーを進水させ、水が漏れないかチェックしたり、カヌーの試乗をしたりしました。
最初に参加した部員で気合いを入れ、カヌーをそっと水面に浮かべて様子を見ました。
すると、波切り部や側板部、底板部の接合した数カ所から水がチョロチョロと漏れてきましたので
思わず「アー」と残念がる声が聞こえてきました。少し試乗して、再び樹脂を塗りました。

2回目の試乗。1回目より秋風が冷たくなってきましたので
「今度こそ」という強い思いでカヌーを浮かべてみましたが・・・。
わずかに水が漏れてきてしまいました。残念。
しかも、全員がよそ見をしている間に、カヌーが風に流されてしまうおまけまで付きました。
部員たちは結構楽しんでいましたが。

再び樹脂を塗り、3度目の挑戦。
三度目の正直なるか二度あることは三度あるとなるか、と固唾を飲んでしばらく見守っていると
部員たちから笑みがこぼれ始めました。
ついに浸水なし。みんなで喜び合うことができました。
しかし、このときもハプニングが発生しました。
何と2名の生徒が乗り込んだ際、バランスを失ったカヌーが転覆してしまったのです。
2名の生徒は無事脱出しましたが、全身ずぶ濡れになってしまいました。
これも今では楽しい思い出です。

 <3.木崎湖横断成功!!>

10月14日(土)、総合的な学習の時間で一人乗りカヌーを製作してきた
1年生のみなさんと一緒に、木崎湖にカヌーを浮かべることになりました。
休日のため全員の部員はそろいませんでしたが、参加した部員たちはやる気満々でした。
学校長の激励を受け、桟橋近くのエリアで練習した後、いよいよ横断開始。

O君とK君は、「1,2,1,2…」と木崎湖全体にこだまするほどの元気な声を掛け合って
目的地を目指していました。
S君とK君は、静かにオールを漕いでいましたが、カヌーはスムーズに進んでいました。
二人の息は見事でした。
15分ほどで目的地に到着。返りはばててしまうかなと見守っていましたが
元気な声の掛け合いと、息の合ったカヌー操作は健在でした。
1年生のみなさんとともに無事往復することができました。

陸に上がると、学校長が差し入れてくださった焼き肉や
財団からプレゼントしていただいたチキンラーメンを食べました。
体が温まり幸せな気分になりました。
計画していた木崎湖の調査活動はできませんでしたが
部員たちには満足感と達成感に満ちた表情をしていました。





支援団体活動レポート