平成18年度トム・ソーヤースクール企画コンテスト支援50団体の企画より、
その活動や実施のレポートを順次掲載していきます。


  活動レポート    

NO学校・団体名都道府県企画の概要
15 NPO法人 むさしの里山研究会 埼玉県 「里山体験プログラム」
「生き物」「農業」「食」をキーワードとした自然体験活動で、里山ワクワクコース、里山チャレンジャーコース、里山スローフードコース、里山ネイチャーコースなど参加者の年齢と目的に合わせたプログラムが特徴。

「里山体験プログラム」 11月~12月の体験プログラムの報告 [2006/11-12]

 11月に行った体験プログラムの状況を報告します。
 幼児対象のプログラムとして「わら遊びは楽しいぞ」も計画したのですが
 参加希望者がなく中止となりました。

 「ヒツジと遊ぼう」
 参加者:大人9名、子供7名、幼児1名

今回のプログラムは皆農塾の畑で行いました。
皆農塾にはこの春3匹のヒツジが生まれたそうです。
塾の代表者の鈴木さんが早速、子ヒツジを小屋から出して下さり、子供達と一緒にお散歩です。
茶色の毛色のヒツジが2匹、白い色をしたのが1匹で、種類が違うそうです。
子供達はかわるがわるに手綱を引いたり、ヒツジにさわったりしています。
子ヒツジはとてもおとなしく、芽生えたばかりの麦をおいしそうに食べています。
子ヒツジの親も小屋からだしてもらい、毛のさわっていたところ
茶色のヒツジと白い色のヒツジでは、触った感触が違います。
白いヒツジの毛はごわごわしているのですが、茶色のヒツジはふわふわしています。
どちらもとても暖かそうです。
ヒツジと一遊びしたあとは、ヒツジの毛を使ったお土産作りにチャレンジです。
子供達はフェルトボ-ルを、大人はフェルトのミニタベストリ-作りや毛糸作りを行いました。
それぞれ、お土産が完成したところで
皆農塾で用意して下さった蒸かしたサトイモとサツマイモ、赤カブの酢漬を頂き解散となりました。

 <参加者の感想>

  先日はお世話になりました。 かわいい羊とふれあうことができ、子ども達は満足そうでした。
緑の牧草に小さい羊飼い達。写真ができるのが楽しみです。
5歳のNにはちょっとこわかったようで、なかなか羊にさわることもできませんでしたが
羊の毛でフエルトボール作りは、夢中になっていました。
私は、羊の毛からどうやって糸になるのか ずっと疑問でしたが、実際にやってみることもできておもしろかったです。
これで3回目の参加ですが、今後も行きたいです。通信で読んだ、冒険遊び場という所にも行ってみたいです。
  私が里山に参加しているのは、子ども達に自然を体験してほしいからです。
住んでいるあたりでは、私が子どもの頃には普通にあったものがなくなっています。
あぜ道を歩いたり、水たまりのあるところ、霜柱、かたつむり、広い所で見る夕焼け
そういうものが私には懐かしいです。
田舎の親戚というのもないので旅行に行けばと思うのですが
旅行では人とふれあうことはできません。里山はちょうどいい感じです。
  皆農塾の畑では、子ども達は大豆を拾ったり、羊と飽きずに遊んでいて
特別に何か「やること」を与えなくても興味のあるものを見つけて遊んでいました。
そういう時間と場所を与えてやりたいと思います。
(それで、お昼がでればうれしいですね。お弁当を持っていかなくていいので・・)
私が子どもの頃、田んぼが近くにあって、冬に刈り取った後の稲の後を踏んで歩くのが大好きでした。
田んぼのあぜ道の中で凧揚げをしたり、春には一面のれんげ畑で、首飾りを編んだり。
子ども達が大人になったとき、どんな子ども時代を思い出すのかな・・と、思います。
今後も遊びに行かせてください。よろしくお願いします。 (K)

 「落ち葉を集めて焼き芋を作ろう」
 日  時:平成18年12月23日(日) 10時30分~14時30分
 場  所:冒険遊び場と田んぼ
 参加者:大人1名、子供9名

参加者と一緒に焼き芋用のサツマイモを収穫する予定だったのですが、関越自動車道が事故のため渋滞し
到着が遅れるとの事でしたので、スタッフで収穫しました。
大きなイモがでてきたものの、洗って割ってみるとほとんどが傷んでいました。
ここ数日の寒さでイモが凍ってしまったようです。
今年は寒さが弱く、イモは土中にあるから安全だと思っていたのですが、考えが甘かったようです。
このため、今回は八百屋で購入したイモを使うことにしました。
30分遅れで全員が揃ったところで、早速冒険遊び場に向かい 薪と落ち葉集めを始めました。
集める落ち葉は植物の調査ゾ-ンにあるものです。
この調査ゾ-ンとは、落ち葉を掃いた区と掃かない区を設け
両者で植物の種類や発生量に違いが生じるかどうかを調べるためのものです。
焼き芋作りのためというより、実は事務局で落ち葉はきをやるのが大変なので
参加者の助けを借りるという狙いがあるのです。
上方から熊手で掃きおろし、落ち葉が集まったところで大きなビニ-ル袋に詰める
という作業を繰り返しました。
溜まった落ち葉の下側にビニ-ル袋を受け、袋の口に落ち葉を詰め込めば効率的なのですが
子供達は落ち葉をかかえて、ビニ-ル袋に移すというやり方をしています。
また せっかく熊手で落ち葉を寄せ集めたのに、集めていないところの落ち葉をせっせと集めている子もいます。
チ-ムプレイができていません。1時間ほどかかって、やっと落ち葉を拾いきりました。

ビニ-ル袋に30袋ほどになりました。それを田んぼに運び、いよいよ焼き芋作りの始まりです。
ところが、みんなが落ち葉を山のように積み上げたため
表面は燃えるのですが、酸素のいかない下の方は燃えません。
そこで、交替で落ち葉をかき回し全体に火が行き渡ったところで イモを火中に投入しました。
イモはぬらした新聞紙にくるみ、その上をアルミホイルでくるみます。
こうしておくと、焦げずにねっとりとしたイモが焼け上がるのです。
枯れ葉だけでは、燃えが悪いので、山からとってきた枯れ木を適当な大きさに切ってくべます。
ところが、細い枝でも子供達はなかなか切れません。
のこぎりを初めて手にする子も多いようです。風下にいて煙で咽せる子もいます。
火にくべた竹竿がパン!と大きな爆発音とともにはねるので、おびえる子もいます。
こうした子供達の様子を見ていると、たき火という体験から色々な事が学べるように思います。
なぜ竹がはねるのか、なぜ下側の落ち葉は燃えないのか、理科の授業にもなりそうです。
総合的な学習というのは、こういう事ではないでしょうか。
校庭の真ん中で焼き芋作りをやれば良さそうですが
煙の問題、ダイオキシンの危惧など難しいのでしょうね。
それはさておき、30分ほどで焼き芋のできあがりです。
それぞれ、自分のイモを探し出し(?)、半分に割って真っ黄色に焼けた
熱々のおいもをほおばりました。
わらを座布団にして田んぼの真ん中で食べる、おいもの味は格別だったと思います。
それに、12月とは思えない暖かな天気もご馳走でした。



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