表彰式・講演会 概要報告    
 平成18年度自然体験活動支援事業「第5回 トム・ソーヤースクール企画コンテスト」の
表彰式と記念講演会が、3月18日、大阪府池田市のインスタントラーメン発明記念館で開催され
自然体験活動や教育関係者などおよそ200名が参加した。

<ご挨拶>
安藤 宏基 安藤財団理事長

 主催者を代表して、安藤財団の 安藤 宏基 理事長から、故 安藤 百福 理事長の「食とスポーツは車の両輪である」という遺志を引き継ぎ、さらに、子どもたちのチャレンジ精神が自然体験で育まれるように、これからも自然体験活動を支援していきたいという趣旨の挨拶があった。
また、このコンテストは年々レベルが高くなり、企画内容は大変拮抗してきているとの感想を語った。そして、平成18年度トム・ソーヤースクール企画コンテストの受賞団体に祝辞とともに、関係者の努力に敬意を表しますというという言葉があった。

<ご来賓挨拶>
伊吹 文明 文部科学大臣からの祝辞要旨(代読)
 続いて、伊吹 文明 文部科学大臣の代読で、文部科学省の 鈴木 隆 生涯スポーツ課長から 故 安藤 百福 理事長への追悼と、自然体験活動やスポーツの振興の支援に感謝の言葉が述べられた。
また、受賞各団体への祝辞と、創意工夫された企画に敬意を表しますと述べ、自然体験はチャレンジ精神を育み青少年が自立する能力と、豊かな人間性と社会性を高めるために大変重要だという趣旨の挨拶があった。

倉田 薫 池田市長の歓迎の挨拶
 続いて、開催地を代表して 倉田 薫 池田市長から、故 安藤 百福 理事長への追悼と謝辞が述べられ、受賞団体に祝意とともに関係者の努力に敬意を表します。そして、子どもたちが自然体験.を通して、21世紀のバトンランナーになってほしい、という趣意の挨拶があった。


<講 評>(要旨)
 審査委員を代表して、岡島 成行 大妻女子大学教授が、各賞の受賞理由を講評した。
講評要旨は以下の通り。

 文部科学大臣奨励賞を受賞した、渋谷区立臨川小学校は、全校の児童134人が山村に移動して、4泊5日の長期の自然体験活動を行なった。都会の小学校が廃校に移転して日常の教育活動を行なうという試みは、これからの自然体験学習の参考事例となると思われる。ゆとり教育の見直しのなかで、全校の児童が参加するこの体験活動は、教職員の熱心な指導がなければ実現しない企画であったと高く評価された。

 また、学校団体部門の優秀賞に選ばれた 八王子市立上川口小学校は、全校あげての非常に熱心な日常的な自然体験活動。子どもたちの感性を育むために、学校周辺の豊かな自然環境を生かして「本物に触れさせる」取り組みを総合学習の年間計画として実践。実りの収穫祭、虫探し、全校野鳥観察発表会、椎茸栽培、自然探し、ホームページの「野鳥ミニニュース」制作など、全国の小学校の自然体験活動のモデルともなる、大変優秀な活動が高く評価された。

 一般団体部門の安藤百福賞を受賞した、青森県の岩木山自然学校は、青森県内の太平洋側から日本海までの自然豊かな地域を、8泊9日で横断したスケールのある体験活動。子どもたちにとって、わくわくドキドキするような未知なる体験へのチャレンジと冒険を目的にして、乗馬、カヌー、登山、農業体験など、様々なプログラムを組み込みながら、子ども達の達成感と感動を与えたことなどが、高く評価された。

 また、一般団体部門の優秀賞を受賞した、さんぴぃすは身近な「自然の宝庫」の発見を感じさせる活動。住宅地を流れる芦屋川でモクズガニを遡上させるという、大規模でユニークな企画と活動が評価された。モクズガニの遡上を助けるとともに生態観察や、餌となる水生生物の調査など、環境教育と理科の学習もプログラムに取り入れた長期間の活動であった。

<表 彰>
■学校団体部門
文部科学大臣奨励賞 100万円+副賞チキンラーメン1年分
渋谷区臨川小学校(東京都)
テーマ 「全校檜原移動教室」
同小学校の 荒井 行雄 校長 に、鈴木 隆 文部科学省生涯スポーツ課長 から、文部科学大臣奨励賞の表彰。(写真左)

■一般団体部門
安藤百福賞 100万円+副賞チキンラーメン1年分
NPO法人岩木山自然学校(青森県)
テーマ 「青森県横断子ども冒険キャンプ」
同校の 高田 敏幸 代表 に 安藤 宏基 理事長 から、安藤百福賞の表彰。(写真右)

学校団体部門  一般団体部門

■学校団体部門
優秀賞 50万円+副賞チキンラーメン半年分
八王子市立上川口小学校(東京都)
テーマ 「みんなで自然体験推進計画2006」
同校の 工藤 淳一 校長 に 安藤 宏基 理事長 から、優秀賞の表彰がおこなわれた。

■一般団体部門
優秀賞 50万円+副賞チキンラーメン半年分
NPO法人さんぴぃす(兵庫県)
テーマ 「芦屋川探検隊 ~モクズガニの遡上をみんなで助けよう!」
同法人の 河口 紅 代表 に 安藤 宏基 理事長 から、優秀賞の表彰がおこなわれた。

<受賞団体報告>(活動報告は追って掲載します)
学校団体部門 文部科学大臣奨励賞
渋谷区臨川小学校(東京都)  荒井 行雄 校長
「全校移動教室で子どもたちは逞しくなった・・・」



一般団体部門 安藤百福賞
NPO法人岩木山自然学校(青森県)  高田 敏幸 代表
「長期間の移動キャンプで子どもたちは、元気になった・・・」



学校団体部門 優秀賞
八王子市立上川口小学校(東京都)  工藤 淳一 校長
「全児童参加の自然体験学習で多くの成果が・・・」



一般団体部門 優秀賞
NPO法人さんぴぃす(兵庫県)  河口 紅 代表
「都会を流れる芦屋川で子どもが環境を考える機会がつくれた・・・」



<講演会>
 医師で登山家の 今井 通子さんをお招きし、「自然で育むこころとからだ」と題した、講演会を行なった。(講演内容は別途掲載予定)
  

<閉会の挨拶>
 中川 晋 安藤財団理事が受賞団体へ祝意を述べ、子どもたちのために、食とスポーツをつなぐような体験活動をおこなっていきたいと締めくくり、参加者、関係者へ謝意をあらわして、全てのスケジュールを終了した。