表彰式・講演会 概要報告    
平成17年度自然体験活動支援事業「第4回トム・ソーヤースクール企画コンテスト」の
表彰式と記念講演会が、2月25日 大阪府池田市のインスタントラーメン発明記念館で開催され
自然体験活動や教育関係者などおよそ250名が参加した。

倉田 薫 池田市長の歓迎の挨拶
まず、開催地を代表して倉田薫池田市長が
「ようこそ池田市へ」と歓迎の挨拶。


小坂 憲次文部科学大臣からの祝辞要旨(代読)
「社会環境、生活環境が変化する社会にあって、子ども達の心身に及ぼす影響が懸念されている。

その中で、自然体験活動は子ども達の体力向上だけでなく、思いやりの心とチャレンジ精神を育み、豊かな心身の育成につながる。受賞団体の活動は創意工夫されたすばらしい自然体験活動であり、その活動に敬意を表します。」
そして「今後も子ども達に夢を与える事業を企画していただきたい。」という趣旨の祝辞があった。



講 評(要旨)
審査委員を代表して、岡島成行大妻女子大学教授が、各賞の受賞理由を講評した。

学校団体部門の文部大臣奨励賞を受賞した、池田市立秦野小学校(大阪府)の「人と環境を考える『私たちのビオトープ』」は、子ども達の発想を大切にして、先生や関係者、地域の人たちの協力とちょっとした工夫があれば、どこでも出来そうな自然体験活動である、ということが高く評価された。学校内にビオトープをつくり、周辺にある河川や里山の自然と連鎖させながら、環境教育をおこなうといった活動は、本来の学校教育のあり方を示すものであり、ぜひ全国に発信してほしい。

また、学校団体部門の優秀賞に選ばれた、八王子市立楢原小学校(東京都)の「自然体験推進プロジェクト2005」は、学校に隣接する雑木林を活用し、年間を通じて全学年を通して活動をカリキュラム化し、精密に学校教育と結びつけた希有な例であり、里山の学校だからこそできたすばらしい内容であった。また、シルクロードで採取された植物育成などの独創性なども高く評価された。全国には同じような環境にある学校も多く、参考になるプログラムである。

一般団体部門の安藤百福賞を受賞した、NPO法人 ゆめ・まち・ねっと(静岡県)の「たごっこ道草探検隊」は、子ども達が外で遊びにくくなっている環境の中で、本来の遊びであった「道草」をテーマに、周囲の大人たちの協力さえあれば、身近な日常の中ですばらしい自然体験活動が出来るということを証明してくれた。日本全体が、是非こうあってほしいと願う活動が高く評価された。

一般団体部門の優秀賞を受賞した、北の川探検隊(北海道)の北の川探検隊は、北海道の知床半島をフィールドにした、精度の高い自然体験活動プログラムであった。雄大な自然の中で、子ども達が遊んでいる姿は、まさにエコツアーというべきものであり、体験活動と知識の取得がうまく組み合わされていることが、受賞理由であったと講評した。

表 彰
■学校団体部門
文部科学大臣奨励賞 100万円+副賞チキンラーメン1年分
池田市立秦野小学校(大阪府)
テーマ 「人と環境を考える『私たちのビオトープ』」
文部科学省奨励賞
同小学校青木和男校長に、篠崎資志文部科学省生涯スポーツ課長から、文部科学大臣奨励賞の表彰。

■一般団体部門
安藤百福賞 100万円+副賞チキンラーメン1年分
NPO法人 ゆめ・まち・ねっと(静岡県)
テーマ 「たごっこ道草探検隊」

同会の渡部達也代表に安藤宏基副理事長から、安藤百福賞の表彰。

 

■学校団体部門
優秀賞 50万円+副賞チキンラーメン半年分
八王子市立楢原小学校(東京都)
テーマ 「自然体験推進プロジェクト2005」
同校の徳満哲夫校長に宏基副理事長から、優秀賞の表彰がおこなわれた。

■一般団体部門
優秀賞 50万円+副賞チキンラーメン半年分
北の川探検隊(北海道)
テーマ 「北の川探検隊」
同会の森久哲氏に宏基副理事長から、優秀賞の表彰がおこなわれた。

主催者祝辞
主催者を代表して、安藤財団の安藤百福理事長から、平成17年度トム・ソーヤースクール企画コンテストの受賞団体に祝辞とともに「子ども達が自然に触れることで、豊かな心身を育てようとする活動の精神は私と同じであり、みなさんは同志のようなもの」と激励。そして、受賞対象となった活動を、周囲に広げるよう努力していただきたい、という趣旨の言葉があった。


受賞団体報告(活動報告は追って掲載します)
文部大臣奨励賞
池田市立秦野小学校  青木 和男 校長 ・ 水野 知代 先生
「子どもたちの発想でビオトープをつくり、子どもが地域の中に入って活動した・・・。」



安藤百福賞
NPO法人ゆめ・まち・ねっと  渡部 達也 代表
「身近な自然との出会いの中で子ども創造性を育むことができる。信じられる大人が地域にいることを自覚したい・・・。」



学校団体部門 優秀賞
八王子市立楢原小学校  徳満 哲夫 校長
「指導者の不足を痛感しているが、豊かな心をもったたくましい子どもを育てていきたい・・・。」



一般団体部門 優秀賞
北の川探検隊  森 久哲 氏
「知床半島の四季を体系的にとらえ、自然を肌で感じる活動を行なっている・・・。」



講演会
 タレントで自然樂校代表の清水國明氏をお招きし「清水流生きる力養成講座」と題して
講演会を行なった。
  
大人の生きる姿を見せることが、子どもの生きる力を育むことにつながる。子どもが大人に近づいていくのが生きる力であり、子ども達の目の前にいる大人が見本にならなければならない。そして、心と体を丸ごと健康にするのが自然の力だ、という趣旨のユーモアを交えた講演に、会場は爆笑と頷きに包まれた。

閉会の挨拶
 安藤宏基安藤財団副理事長から、子ども達を取り巻く社会環境が悪化し、犯罪などが増えている。子ども達が安心して道草ができるような社会をつくりたいと思う。また、非行少年を減らし、同時に若者たち、子ども達の心身の育成に寄与できるよう、トム・ソーヤースクール企画コンテストも、さらに質の高いものになるよう努めていきたい、という趣旨の挨拶があった。
そして、日本の社会をよくするために、貴重な時間を使っていただいた受賞団体、参加者、関係者へ謝意を述べ、全てのスケジュールを終了した。