平成16年度 選考結果の発表    
平成16年度トム・ソーヤスクール企画コンテストの文部科学大臣奨励賞、安藤百福賞などの選考会が12月10日に開催され、「自然体験.COM制作委員」によって各賞が決定いたしました。
今年度のトム・ソーヤスクール企画コンテストは応募総数が113件で(学校団体部門9校、一般団体部門104団体)、その中から特に優れた30企画(学校6校、団体24団体)に支援金として、それぞれ20万円をお贈りいたしました。
これらの支援企画は、本年7月10日から10月31日までの間に実施、または開催され、報告書として、当安藤財団事務局に提出されました。審査会では30企画の報告書ならびに添付されてきた関連資料などを参照し、次の通り文部科学大臣奨励賞、安藤百福賞などの各賞を決定いたしました。

■学校団体部門
文部科学大臣奨励賞 100万円+副賞チキンラーメン1年分
由岐町立伊座利小学校 由岐中伊座利分校(徳島県)
テーマ 「基地つくりに挑戦」
企画内容 「つくりたい、あそびたい、ひろげたい」との思いを大切に、チャレンジ精神の育成と、やる気のある子どもに育てるためのプログラム。
受賞理由 学校と過疎の地域が一体となって取り組んだ自然体験活動。地域活動が自然体験活動とうまくコーディネートされ、「子どもたちと大人の熱いつながり」が感動を呼び起こした。住民の手でよみがえらせたキャンプ場で、住民が参加して作った「ひみつ基地」は、冒険少年少女の原点でもある。


優秀賞 50万円+副賞チキンラーメン半年分
赤坂町立軽部小学校(岡山県)
テーマ 「こちら吉井川環境調査隊」
企画内容 上流・中流・下流の河川環境調査活動。水質や水生生物の調査と、川を使ってのネイチャーゲームなど。
受賞理由 吉井川の源流部から河口までの一貫した自然体験学習が、科学的な視点をもって学校教育の中で、長期間にわたっておこなわれた。学校ならでは可能な体験学習で、今後も継続的に行っていくという姿勢が評価された。他校のプログラムの参考にもなる。


佳作 チキンラーメン・カップヌードルそれぞれ半年分
土庄町立渕崎小学校(香川県)
テーマ 「ゴミの島は宝の島」
企画内容 瀬戸内海環境フィールドワーク。お遍路道のトレッキング体験や瀬戸内海のシーカヤック体験などで、郷土を再発見し、産廃の島で環境学習を行う。
受賞理由 離島に生まれた子どもたちに、生まれた島を知ってもらい、好きになってもらうというコンセプトが明確でわかりやすい。また、海と島でのフィールドワークと環境教育がしっかり行われ、豊島という今日的な課題を児童たち考えさせるなど、実践的な体験活動が評価された。


■一般団体部門
安藤百福賞 100万円+副賞チキンラーメン1年分
NPO法人 やまんばの会(滋賀県)
テーマ 「やまんばの森学園」
企画内容 里山の保全と自然観察。およそ1000人が参加。手作りの石窯で、ピザやパン焼きを体験など。
受賞理由 コンセプトと事業のねらいが明確に示され、子どもたちが大きく変化する状況がよくとらえられている。また、日常的な自然体験の機会と場の提供と、精力的な活動が評価される。多くの子どもたちが参加できる仕組みと指導体制、プログラムを用意した通年型活動である。


 
優秀賞 50万円+副賞チキンラーメン半年分
史跡猿ヶ城友の会(長野県)
テーマ 「戦国狼煙ワクワク実験」
企画内容 戦国時代に行なわれた、大伝達網、狼煙が現代にも通用するか、子ども達が25kmの実験。狼煙台確保のための間伐、古道の整備、などの体験活動実施。
受賞理由 戦国時代ののろしを実証し、自然というフィールドの中で、子どもたちに「通信」や「コミュニケーション」の意味を考える機会を提供した。歴史考証と自然体験を融合させたユニークな企画で緻密な準備と歴史資料の考証など、プランとフィールドワークが巧みに組み合わされ、地理的スケールとリアリティが秀でていた。


 
佳作(順不同) チキンラーメン・カップヌードルそれぞれ半年分
森世紀プランニング(長野県)
テーマ 「ぼくらは森の探偵団」
企画内容 インタープリテーションクイズラリー。ストーリー性をもったゲーム形式により、能動的な森林生態体系の学習を行う。
受賞理由 大変よくできたプログラムと指導が評価された。インタープリテーションが非常に分かりやすく、活動から学びへとうまく発展させる工夫や、ゲーム性をもたせて効果的に実施されている。学校などの総合学習のプログラムとしても参考になる。
大阪府レクリエーション協会(大阪府)
テーマ 「自然に触れよう!英語に触れよう!異文化に触れよう!」
企画内容 外国人とのコミュニケーション・自然体験キャンプ。地元伝統芸能の浄瑠璃体験。
受賞理由 外国人との国際交流、伝承文化などを自然体験を交えて行ったユニークな活動。能勢浄瑠璃を外国人と子どもたちが体験。
青森大学大学院 関研究室(青森県)
テーマ 「青い森と一緒に遊びましょう!」
企画内容 参加生徒の生命観、共生観の変化を研究。森林や森に触れることから、生き物の命に対する気づかいや、青森の郷土、文化についての興味を啓発するとともに、林業の果たす役割や人間の暮らしと森林のつながりを学ぶ。
受賞理由 八甲田山系の森や下北半島の海辺などを舞台に、地域の協力を得ながら昔ながらの自然遊びの再現をおこなった。