高見っ子版ロビンソンクルーソー
~下江府島で無人島生活をしよう~
 広島県尾道市の対岸にある向島。島の南部を校区に持つ高見小学校は,全校児童154名の小さな小学校です。小学校の前に広がる瀬戸内海の干汐(ひしお)海岸は,夏は海水浴場,秋から春はアサリやヒラメの養殖場となっています。この海岸は子どもたちにとってとても大切な遊び場であり,学習の場でもあります。
 本体験活動を行う6年生も,入学以来生活科や総合的な学習の時間において,この干汐海岸を学習の場としてきました。そして,自然観察を通して地域の自然のよさを学習したり,EM菌を活用して、昔のようにアサリがたくさんとれる環境をとりもどそうとする取り組みを進めたりすることを通して、自分たちの住む地域を愛する心を育ててきました。
 小学校生活最後の6年生である今年は,総合的な学習の時間のテーマとして昨年度の6年生同様に「干汐海岸から700m沖に浮かぶ無人島下江府島(しもえぶじま)にいかだを作って渡ろう。そこで,無人島生活をしてみよう。」と決めました。

1学期の活動 「いかだづくり」「無人島までの航海」「食料調達と自炊」
★「いかだづくり」・・・10人乗っても沈まず,よく進むいかだを作ろう!
 まず,インターネットで検索したり漁業協同組合の方に聞いたりしていかだの仕組みや材料を調べました。
 そして,漁業協同組合の方にアドバイスをいただきながらいかだを作りました。
★ 「いかだの試運転」・・・試運転をして問題点を見つけ,改善しよう!
 できたいかだは果たして目標どおりのものか,オールこぎの練習をかねて海へ浮かべました。どのいかだも見事に浮きました。しかし,オールのこぎ方には課題が残りました。みんなの気持ちを一つにしてこがないと,うまく進まないのです。
★ 「無人島までの航海」・・・力を合わせて無人島へ渡ろう!
 7月7日(月),いかだで無人島「下江府島」目指して航海しました。課題であったオールこぎも本番では順調です。心と声を合わせて進みます。約30分後,約700mの海峡を見事に渡り切りました。
★ 「食料調達と自炊」・・・自分たちで食料調達をして空腹を満たそう!
 無人島では自分で食料を調達するしかありません。さっそくグループごとに食料調達をしました。ねらうものは,魚と貝です。魚は釣りや網などで確保します。貝は岩場や潮だまりでとります。貝は「スガイ」をたくさんとることができましたが,魚はフグばかりでねらったクロダイなどはさっぱり釣れませんでした。
 一同がっかりしているところへ,差し入れがありました。なんとヒラメ養殖をされている方が体長40cmのヒラメを6枚くださったのです。みんな大喜び!ヒラメは焼いて,スガイは茹でて食べました。
 おかげで帰りのいかだこぎでも力強くオールをこぐことができました。

2学期の活動予定 「無人島の調査(島の測量・植物調査・海辺の生き物調査・岩石調査)」,「無人島探検ニュース番組づくり(ビデオを活用)」
※2学期も意欲的に活動したいと思います!

(報告 広島県御調郡向島町立高見小学校校長 岩田 千賀子先生)