平成15年度「トム・ソーヤースクール企画コンテスト」表彰団体 実施報告
文部科学大臣奨励賞
ふるさと体験スクール「ふるさとを遊ぼう 秋の民泊体験」


下記の通り「トム・ソーヤ自然体験活動支援事業」の報告をいたします。

 団体名 ほしはら山のがっこう  報告責任者名
 連絡先 〒728-0624 広島県三次市上田町388 旧上田小学校
 電 話 0824-69-2888(FAX兼用) E-mail : ai@twoone.net(個人メール)


<目次>
1.ふるさと体験スクールについて
 (1)はじめに
 (2)目的
 (3)2003年度の「ふるさと体験スクール」日程
2.「ふるさとを遊ぼう 秋の民泊体験」実施報告
 (1)目的
 (2)実施日
 (3)参加者
 (4)スタッフ
 (5)主催
 (6)後援
 (7)プログラム
 (8)内容
 (9)事業目的の達成度・効果・成果
 (10)反省点・今後の改善点
 (11)同様の企画を実施する場合のポイントについて
 (12)プログラムに使用した主な備品・装備・学習用具など
 (13)収支の概要
 (14)支援金の主な使途について


1.ふるさと体験スクールについて

(1)はじめに
 2003年春3月。地域の心の拠り所であった三次市立上田小学校が廃校となった。
 「心の拠り所を失いたくない。」「市内唯一となった木造校舎を保存し役立てたい。」「子どもの声がする町であり続けたい。」そんな声が町民から集まった。
 そこで、町民有志によりプロジェクトチームを組み、廃校跡地利用方法を練る。そこに「ふるさと体験学習塾構想」が持ち上がった。ふるさとの素晴らしさを伝え、人と人が交流し、町民にとっても都会の人にとっても心のふるさととなる場所にしたいとの想いである。
 まずはプロジェクトチームにより「あるものさがし」を始めることとなった。
 上田小学校の所在地は、三次盆地を取り囲むその山頂部の台地。高齢化・過疎化がすすむ中山間地の町である。これまで都市部にあって田舎にないものを数えてきた者にとって、都市部になく田舎にはあるものを探すことによって生まれたものは、大きな意味を持つと思われ、町民と時間をかけて共有したい想いである。
 プロジェクトチーム員は30代から70代までの10名。子どもの頃に遊んだ場所や小学校へ通った道などを掘り起こせば、山・川・林道・滝・虫などなど様々な体験があることを発見。30~40年前に通った林道を歩き、まだ歩ける事を確認。2世代前の子どもたちが沢を登って遊びに行っていた滝は草薮に覆われてしまっており、数日間の草刈り作業で発掘。記憶から消えかかっていた滝は5段もあったのである。また、田舎の仕事体験の場も、田畑・果樹園・しいたけ園・茶園・牛肥育農家・林業と多種にわたり、民家にはまだ薪風呂が焚かれているところも多い。祭りもある。
 これらの「あるものさがし」でまとめたアクティビティーを構成し、2003年夏8月より「ほしはら山のがっこう」として月一回の日帰り及び滞在型のふるさと体験スクールがスタート。今回はその2回目であった。
 体験に恵まれたフィールドであるが、滝を例にとれるように、ふるさとの景色や文化、智恵などが、すでに次世代に伝わらなくなっている。「ふるさとを生き続けた人」が高齢化している。学ぶのは今である。

 今回の民泊体験により、ふるさとの体験が「今」の私達にとっていかに魅力的で心を豊かにさせるものであるか再認識した。また、その教育力への可能性を、町民である私達、そして都市部からの参加者、共に体験できたのではないだろうか。「伝えたいふるさと」は何か。私達にできることは何か。今だからできること、今でしかできないことを見つめたいと考えさせられる。
 私達の“田舎と都会の交流事業”が“WIN&WINの関係”でお互いに「ふるさと」をテーマに学びあい、素晴らしさに共感しあい、共に豊かに生きることができることを実現しつづけたい。
 田舎に住む私達が、「ふるさとを生きる」ことへの信頼感と自信を学び、誇りを持ってこの町で生きることが、参加者の「ふるさと体験」をより豊かで学びあるものにすることにつながるのである。
 また、参加者が豊かな体験と学びを得ることが、私達の「ふるさとを生きる力」へつながるのだ。

(2)目的
ふるさとを「遊び」を通して体験する。

(3)2003年度の「ふるさと体験スクール」日程


2.「ふるさとを遊ぼう 秋の民泊体験」実施報告

(1)目的
ふるさとを「遊び」を通して体験する。
・山間部の自然(山歩き・滝探険など)・農業(稲刈り)・動植物(牛の世話体験・畑など)に、生活体験の中で楽しくふれることで、リアルな感覚として「人」と「自然」のつながりを体得し、自然・人・ふるさとを身近なものとして愛おしむ気持ちを養う。
・民泊体験や町の人々との交流を通して、人のあたたかさを感じる。また、山里での暮らしを体験すると共に、ふるさとで誇りを持って生き生きと生きる人々の姿に出会い、生きる力への信頼感を体感する。

(2)実施日
2003年9月13日(土)~15日(祝)2泊3日

(3)参加者
14名(募集15名 申込み15名 病欠1名) 
内訳<学年> 小2‥1名 小3‥3名 小4‥5名 小5‥4名 中1‥1名(自閉症)
  <男女> 女子‥8名 男子‥6名

(4)スタッフ
校長:金末忠則 
ディレクター:竹廣 愛 
プログラム:金末忠則・加藤愛孝・田丸啓三
マネージメント:西川保明・平田克明
リーダー:江草美香・水戸啓之(障害児補助)
ボランティア:平山貴子・今井和美・今井遥香・西川絹江(食事) 
講師:上田町芸能保存会(神楽)・竹廣真弓(牛の世話)・保井照明夫妻ほか(稲刈り)
民泊受入家族:若林さん・加藤さん・金末さん・西川さん・竹廣さん
その他、地域の方々の御協力

(5)主催
ほしはら山のがっこう

(6)後援
三次市教育委員会・上田町内会・上田町振興協議会・上田町芸能保存会

(7)プログラム
■1日目 9月13日(土)


■2日目 9月14日(日)


■3日目 9月15日(祝)


(8)内容
■1日目
<自然体験