環境冒険国際キャンプ
~山・川・海をめぐるキャンプから、何が見えてくるだろう?~

主催団体 環境冒険国際サマーキャンプ実行委員会
期間   8月5日~12日

『環境・国際・冒険』がキーワードのこのキャンプは、長野県の白馬村から新潟県の糸魚川までのおよそ50kmの行程を、日本百名山の雨飾山登山もコースに入れて行われた。
参加者は小学5年生から中学3年生までの37名。新聞などマスメディアを通して募集されたが、このキャンプの特徴に一つは奨学金制度だろう。経済的に不利な状況にある子供達にも参加の機会を与えようというもので、今回は2名に参加費が支援された。

プログラム日程は白馬村を拠点に、8月5日から7日まではオリエンテーションや林業体験、冒険プログラム・安全管理などの教育にあてられた。そして、1グループ6人で編成されたパーティで、割り当てられた3万5千円の予算で食料などを調達し、8日から日本海(姫川河口)へ向けての旅がはじまった。
グループにはそれぞれベテランのスタッフがサポーターとして付き添うが、あくまで安全確保上のアシストに徹するのが原則だ。

テントやスリーピングバック、食料、バーナーなど、旅に必要な全てを自分達で担いで、互いに協力しなければ達成されない旅が、8日から3泊4日で行われた。
雨飾山(1963m)登山は、どの子どもにとっても大変つらくて、厳しい体験だったようだ。下山してテントを張り、自炊するというのも厳しさに追い討ちをかけた。
炎天下、姫川の河口を目指して、ひたすら歩きつづけた。チームワークが大切だと思った。地図を読むということを学んだ。姫川が大きくなり、山間部から平野にむかうと風景が大きく変化した。日本海を見たとき涙が流れた。

旅から帰って来た参加者

全ての旅はキャンプ全日程の7日目に終了し、8日目の12日には各グループのプレゼンテーションと表彰式、そしてクロージングパーティが白馬村で開催された。

『あの子、顔が変わったわ!』『からだが大きくなったみたい』・・・これが、白馬村へ子どもたちを出迎えにきた父兄の声だった。わずか1週間のキャンプだが、親元を離れ大人でも大変な雨飾山登山と日本海までたどり着いた子どもたちの体験が、表情にはっきり読み取れたのだろう。

プレゼンテーションでの子どもたちやサポーターの感想は次のとおりだ。
「自然に感動」
「田園風景の広さに驚いた」
「地図の読み方を学んだ」
「ポジティブに考えられた」
「雨飾山は難しかったが、感動した」
「到達地では涙がでた」
「パッキング・コンロの使い方が学べた」
「旅の計画が立てられた」
「私達が考えられる一番危険な旅だった」
「達成感があった」
「チームワークができた」
「姫川が大きくなって感動した」
「チームワークがどんなものかわかった」


プレゼンテーションの光景


表彰式の光景

番外編としては「つらい旅だった。山と子どもは遠くで見るのが一番」というサポーターの声もあった。

プレゼンテーションを聞いた感想は、子どもたちにとって自然体験とチャレンジする機会が非常に減っているということ。同時に、日本では登山という行為も、子どもたちや若者の間で、すでに風化しているのではないかという危惧をもった。
また、チームワーク、助け合い協力しあって計画を達成するということが、いかに大切であるかということを、リアルな言葉の端々から読み取れた。このような体験教育機会が、もっともっと普及することが必要だろう。

参加者に手渡された表彰状