『ニュースポーツ自然体験活動~ふれあいの森びっくりどっきり体験ツアー』
主催団体 NPO法人レクリエーションアクティブなわて(代表者 岡村秀雄氏)
実施期間 10月13日

大阪府の北東部にある四条畷市は、大阪都心から電車で20分ほどの便利なロケーションながら、市域の約3分の2が北生駒山地で占められ、緑に恵まれた環境にある。

 「レクリエーションアクティブなわて」は、会社員や主婦などが中心になり、昨年4月発足した。地元の豊かな自然を体験してもらうことや、スポーツを通じての地域交流を目的に、市内で「竹炭焼き」、「ホタル探検隊」、「ニュースポーツ」、「スタンプラリー」などのさまざまな活動を行っており、今回のプログラムもその一環として行われた。

質問カードでアイスブレイキング
 午前中は、四条畷市立野外活動センターの広場で、最初は参加者同士があらかじめ用意された質問カードによる自己紹介のアイスブレイキング。緊張が解きほぐれると、「バンブーダンス」や、ティーの上に置かれたボールをバットで打つ「ティーボール」などのニュースポーツで、ファミリー中心の参加者は大いに盛り上がる。

 午後からは、隣接する「ふれあいの森」に入り環境学習を行う。この森はクヌギ、コナラ、杉、檜などのさまざまな樹木が生い茂り、ハイキングコースも整備されるなど市民に親しまれている。
 コースの道中のいくつかのチェックポイントに、自然環境にちなんだ質問が用意されている。例えば「アラカシの木が、ひとつの根株から何本も幹が出ているのは?」といった具合である。これらに解答し、スタンプを押して貰いながら進む。すべてのポイントを終えると、スタッフから「アラカシの木は、薪にするため人間に切られ、株から芽がいくつも出たためこのような姿になったのですよ」などの解説が行われ、森の見方、楽しみ方がわかる工夫がなされている。

ニュースポーツ


アラカシの木

木を間伐すると、森が明るくなった
 スタンプラリーを終えると、いよいよメインプログラムともいえる森作り体験だ。
 ハイキング道の途中の杉林に入ると、まるで夜のように暗い。繁り放題になった木々に遮られて光が入らず、下の方の枝は枯れてすさんだ光景が広がる。「長年手入れがなされない結果、このようになってしまいました。日光が届かないので下草も生えず、雨が降ると水がそのまま流れていってしまうんです。」との説明に、一同、これからの活動の意義を理解した様子。
 のこぎりの使い方と伐採の手順の解説がなされると、各自三々五々作業にかかる。
 枝を切るごとにすこしずつ明るくなっていく。汗だくになりながらも、成果がすぐに見える仕事に全員一心不乱だ。15本ほどの木が間伐されると、森の中は昼間の明るさに変わる。「たった、20名ほどの人数でもこれだけのことが出来るんだ。」と参加者には満足げな雰囲気が漂う。また、伐採した木は炭焼きの燃料に使われリサイクルされるなど、森と人間の関わり方を考えさせる内容となっている。

真っ暗な森


明るくなってきた。

 学生時代からキャンプに親しみ、就職後も、野外活動を指導してきた岡村氏だが、(1)スタッフの数が不足しており、とこへ行っても同じメンバーが多いこと。(2)活動資金は参加費だけであり不足しており、自腹を切りながらの実施もあること。(3)広報活動には苦労し、参加者数の不安が常にあることを指摘する。これらの問題は、このようなボランティアの方々が支える自然体験活動における、共通の課題であることを強く感じた。