事業名『2002年夏のくつき子ども村』
主催団体「農業小学校をつくる会」(代表幹事 関田 哲氏)

 滋賀県の北西部、京都と接する朽木村の山間部に平良(へら)という集落がある。京都市内から車で2時間ほどの距離だ。北へやはり2時間ほど走れば若狭にぬける。朽木村というのは鯖街道の中継地としても知られている。
 この朽木村平良も過疎が進んで子どもの数も減少し、そこにあった分校も4年前に休校となった。その平良分校を会場に「農業小学校をつくる会」(代表幹事 関田 哲氏)が『2002年夏のくつき子ども村』を開校した。

 同会の事業目的は自然体験、生活体験、協同生活体験、農業体験を通して、自然との契約、生きる技術の習得などであり、その目的にあう事業のひとつとして、この『くつき子ども村』が開催されている。『くつき子ども村』のコンセプトは、一言で言えば協同生活に尽きるそうだ。PART1とPART2の2回開催され、PART1は7月28日から8月3日までの1週間。PART2は8月7日から16日の9泊10日というロングランである。この長期間というのも大きな特徴のひとつだろう。
 この間子ども達は親元から離れて、休校の小学校学舎で協同生活を体験する。炊事や食器洗いも順番で行う。自然体験は前を流れる針畑川だ。水は冷たいが、子どもたちは元気にそこで遊ぶ。鮎やアマゴを手掴みする子ども達もいる。まるで川ガキがもどってきたようだ。水上ドッジボール、リバー・バレーボール、水上サッカーなど、川を利用したゲームプログラムが数多く組みこまれている。その川で毎朝の洗濯も日課の一つになっている。もちろん石鹸は使わない。

 今回(PART1)の参加者は34名。応募者は多いが、定員はベッド数の物理的な制約で決まってしまうそうだ。参加者は地元滋賀県のほか、静岡や四国からと広範囲だ。
 学年は小学1年生から中学3年生までと幅広く、男女比はほぼ同数。指導者は代表幹事のほか、社会人のボランティアが中心。職業はマスコミ関係、教員、商社マンなどと多彩である。